7色の後ろ側 8《赤》

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しげの目がいつもよりずっと男らしい、なのに優しさも感じて。

雑誌でたまに見せる色っぽいしげを知ってるけど、それともまた違う。

たぶん恋人にならなきゃ見せてもらえない顔。
だからきっと、私だけが知ってる顔。


重「...ええ？」

「...ん」

重「痛かったら我慢せんと言うて。な？」

「だいじょ、ぶ...っ」


しげがそっと重なって、ぐっと体に圧が増す。
私はしげの背中に手を回してそれを受け止めた。

頬に当たる冷たい感触は、たぶんしげから流れた汗。

一定のリズムで聞こえる荒い呼吸。
眉間に皺を寄せて、目をつむって行為に集中するしげを盗み見てはこっそりときめく。


すき、だなぁ。


重「余裕そうな顔、すんな、やっ」

「ん、っ」


そんな事全然ないのに。
しげは私にそんな事言って、息ができないくらいの長いキス。

頭、クラクラする。


「っは、くる、し...っ」


酸素が足りなくてしげの腕をぎゅっと掴む。
そんな私を見て満足そうに笑うから、こいつ...。


「バカっ...」

重「...アホ、っ」


鼻と鼻がぶつかる距離で悪態ついたらまた口を塞がれた。
でもしげだって、きっとそんな、余裕ない。


重「っぁ、...アカン、っ」


ぐっとしげの体重が乗った感覚がして、すぐ耳元で切ない声が聞こえて。
しげはそのまま欲を吐き出した。








枕元の水を飲んで、ごろんと2人布団に寝転がる。
せっかく2組敷かれてるのにしげは私の布団に潜り込んできた。


「...ちょっと」

重「あっち？無理無理。汗でベトベトやもん」


そう言われたら何も言い返せない。

腰に手を回されてぐっと引き寄せられる。
そのままおでこ、頬、口ってキスされて、ビックリした。


重「...何やねん」

「ちょっと、以外」

重「何が？」

「...しげってし終わったら、ドライそう」

重「はぁ？そんなん、ありえへんやろ」

「ありえへんの？」

重「やって、し終わったら後のが、なんや側におりたくなるもんちゃう？」

「え、かわいいかよ」

重「お前のが絶対ドライやん！ムード壊しにきとるやんけ！(笑)」

「わは(笑)だって、恥ずかしい、そんなん。
でもそう思ってもらえるなら、幸せだね」

重「そやで！お前幸せ者やねんからな」

「ふふ、うん(笑)」


私もしげの背中に手を回してぎゅっとくっつく。
本当に、幸せだ。


重「でもあれやな」

「何？」

重「この快感知ってもうたらさ、しばらく寝不足やな」

「は、」

重「俺遅咲きやから反動えぐいで？ちゃんと付き合ってな？」

「ちょ、」


ぐるっと視界が回ってしげが私を見下ろした。
私の嫌いな悪戯っ子の顔で。

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