7色の後ろ側 8《赤》

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しげにキスされて、ワインで温まった体がもっと熱くなる。
ぽーっとする頭のまましげの方みてたらおでこをバシっと叩かれた。


「...いたい」

重「しゃきっとせえ」

「...」

重「もっかい叩こか？(笑)」

「十分です！」


しげがまた手をあげるもんだから、逃げるように仰向けに寝転がる。
ふう、頭、すっきりさせないと。


「今日の事、しげが皆に声かけてプレゼントとか決めたの？」

重「そーやで？」

「嘘でしょ」

重「...バレた？(笑)」


しげがいつもの笑顔を見せて、今回の誕生日計画を話してくれた。

私に何をあげたらいいかわからず皆に相談した事。
それから皆でこっそりサプライズの計画を始めた事。


「この旅館も皆で探してくれたの？」

重「あー、や、ちゃうねんけど...」


しげが気まずそうにこっちを見る。
え、何？共演女優さんに聞いたとか？
だったらちょっと...妬ける、かも。


重「ここ、旅館利用しとる人だけ使える施設やねんけど」

「えっ」


だから人、少ないんだ。


重「ここと旅館の事教えてくれたんは、錦戸くんやねん」

「え、関ジャニ∞の錦戸さん？」


私が驚いて聞き返すと、しげが頷いた。


重「日にち迫っとって、宿もさ、どこでもええ訳やないし。
悩んどった時にたまたま錦戸くんから連絡きて、最近どうなん？って。

ほんで...Aとは言うてないで？やけど、彼女できたって報告したらすげー喜んでくれてさ。

誕生日の事話したら、絶対喜ぶ所あるからって言うて教えてくれてん。
ほんでこんなん、お前絶対好きやんか。

予約もギリやってんけど、錦戸くんが口利いてくれてん。
ほんま頭上がらへんわ」


錦戸さんとしげの交流って私はそんなに知らないけど、雑誌の取材で先輩の話題になると確かによく錦戸さんの名前を出してる。

そっか、錦戸さんに言ったんだ。


重「やから、今回の誕生日は俺やなくて周りの皆が計画してくれてん。
俺1人でこんなんできたらかっこええねんけど。
...一哉みたいに上手い事できへんわ」


頭をガシガシかいて、情けないわーなんて言って笑う。
私は堪らなくなってそんなしげを抱きしめた。


「ううん、すっごく嬉しいよ。
仕事だって忙しいし、こんなのしげが得意じゃないのもわかってるよ。
だから、余計に嬉しい。

皆に相談して、私の為にいっぱい考えてくれて。
本当に私幸せすぎる。
しげありがとう、大好きだよ」


あ、そういえば私から好きって伝えるのは、初めてかもしれない。
うわ、恥ずかしい。

目があったしげがあんまりかわいい顔してるから、私はそのままキスをした。

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