7色の後ろ側 8《赤》

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side 重岡


重「ほんなら一回それどけて」


そう言うてプレゼントの底に隠したケーキを取りだす。


「ケーキあるの！？」

重「誕生日やからな。
ワイン開けてええ？」

「うん！」


小さなホールケーキに、ワイン。
持ってきたマッチでロウソクに火をつける。
流石に歌は歌わへんって言ったらAが笑って、ロウソクの火を消した。


重「誕生日おめでと」

「ありがとう」


あ、これキスの流れちゃう？
そう思って顔近づけたらAは気づかんと顔そらしてワインに口をつけた。


「ワイン美味しい！
さすが淳太くんセンスいいね」

重「...」

「ん？しげも飲んでみたら？」


こいつムードっちゅーもんを知らんのか？
何目ぇキラキラさせてんねん。
腹立って一気にワインを流し込む。


「あー！一気ダメ！味わって！」

重「うっさい！」

「何なの急に」

重「はよケーキ食えや！！」

「えぇ...」


何のこっちゃって顔しとるけど、そんなんしゃーないやん。
こっちはクソ恥ずかしかってんぞ！


「ケーキも美味しい！」

重「甘ないねんな。食いやすい」

「ねー」

重「ワイン、おかわり」

「はいはい」


あっちゅーまにケーキ平らげて、2人でごろんと寝転がる。

うわ、ほんまに星めっちゃ見える。
すげー。普通に俺が感動してまう。


「しげ」

重「何？」

「今日、ありがとう」

重「何やねん。きっしょ(笑)」


そんなん言うたら、いつもみたいに腕叩かれた。
ほんならごろんとうつ伏せて、そのままワインを口に運ぶ。


重「行儀悪い」

「今日特別」

重「そんなん子供見たら真似すんで？」

「じゃあしげがちゃんとしつけしてね？」


またワインを一口飲む。
お前それ、俺らの子供って、ことやんけ。


重「しゃあない、なぁ」


顔にやけそうでAの方見んとそう言うたら、Aの唇が頬に当たった。
びっくりしてA見たらヘラっと笑っとる。


重「っ何やねん、いきなり」

「ふ、しげかわいいなぁ。照れてんの？(笑)」

重「照れてへんわ！」


Aのグラスのワインはもう空で。
ボトルもまぁだいぶ減っとって。
何が一気はダメやねん...。

俺もうつ伏せの体制になるとAがアルバムを取り出して、肩並べてそれを見る。


重「なぁ、小瀧お前にくっつき過ぎちゃう？」

「んふふ、ヤキモチ」


完全に酔っとるAが煽ってくるもんやから。
頭掴んで口塞いだった。


重「こんなんできんの俺だけなんやで？
そんなんで一々妬くかボケ」


そう言うて手を離す。

なぁ、一応ここ外やねんて。
やからそんなえろい顔してこっち見てくんなや。

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