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side 重岡
「写真撮りたい」
Aが戻ってくるなりそう言うて。
こいつが自分からこんなん言うの初めてやったから。
重「ええやん、撮ろうや」
立ってAの隣に行こうとしたら待って！と声がかかる。
「こっち！」
そう言うてAが指差したんは広縁。
木材を編み込んだような椅子と同じような作りのテーブルが置いてある、シンプルな空間。
「そこ座って、腕組んでこっち見て」
重「？」
指示された通りにすると、じっとこっちを見てたAがすっと両膝ついて、スマホを構えた。
重「は？一緒に撮るんちゃうの？」
「え、とりあえず、しげソロで」
重「何でやねん！(笑)」
立ち上がろうとしたけどAが片手で待ってってジェスチャーしよるから、諦めて座り直す。
なんやねん、2人の写真欲しいんかと思ったやんけ。
むすっとした顔で外の方見とったら、うわ、それも様になるなんて言うから笑ってもうた。
重「次交代じゃ！お前撮ったる」
「いやいやいや、私はいいよ、大丈夫！」
重「これ送らんと絶対小瀧うっさいやん」
「う」
Aがしぶしぶ座る。
ほれ、やっぱちょっとすっとすんねん。
重「お前こんなん着慣れとるん？」
「浴衣？」
重「うん」
「専門学校の生け花授業の時に浴衣着る事あったけど、それくらいかな？
所作はその時少し習ったよ。
あとは和装好きだから夏に着たり、たまに着物レンタルしたり」
襖に少し手をかけて外を覗くAの顔がいつもより、大人っぽい。
ゆるくまとめた髪とか、うなじとか、ちょろっと垂れとる髪とか...わざとやってへん？
カシャって音立ててスマホのシャッター押したら、撮るなら言ってよ！って恥ずかしそうにこっちを睨む。
その顔も撮ったら、絶対ブスじゃん今の！ってこっちに手伸ばしてきよった。
その腕を掴んで引き寄せる。
崩れるように俺の胸に顔を押し付けて。
あかん。心臓の音バレとるかな。
そろっとこっちを見上げるAと目があったらなんや、ぞくっとした。
そのまま無言で口付ける。
Aは拒みもせんと、俺の唇を受け止めた。
重「...お前、ちょっと化粧しとる？」
唇を離して目と鼻の距離のまま会話を続ける。
とろんとしたAの目見てると、ずっとこのまま見てたなる。
やけどAは恥ずかしそうに目ぇ伏せた。
「...うん」
重「何で風呂入ったのにそんなんすんねん」
「...せっかくだし、しげにちょっとでもかわいいって思われた...っん、ふ」
こいつほんまもんのアホやわ。
自分から襲われるような事言いよんねんもん。
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のら(プロフ) - chiiiiiさん» コメントとありがとうございます！受験...！大変な時期ですね！そんな時にも読んで頂けて嬉しいです。私もそんな話書きたい...(笑)このシリアスモードが落ち着いたら是非、書かせてください！ (2019年11月13日 20時) (
レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
chiiiii - この小説が受験勉強の癒しです！風邪っぴきしげちゃんの看病が見たいです！これからも頑張ってください！ (2019年11月7日 21時) (レス) id: f05db0f9cf (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - よしのさん» 作者の妄想話をそんな風に言って頂けて嬉しいです！お気遣いもありがとうございます、頑張ります！ (2019年11月1日 8時) (レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます！キュンとして頂けて嬉しいですー！更新頑張りますね！ (2019年11月1日 8時) (レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - すごく素敵な作品で、きっと完結しても何度か読み直すんだろうなと思っています！無理せずゆっくり頑張ってください＾＾ (2019年10月30日 20時) (レス) id: 20fd6cf58f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のら
| 作成日時：2019年10月18日 21時
