7色の後ろ側 8《赤》

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何から何までしげに甘えて、私はまた布団に横になってる。

バカな事しちゃったな、ちょっとした事で引っかかって、嫌なこと言って。

寝転がりながら片足をあげると視界に入るツヤっと光沢のある赤い爪。
もう何度か塗り直してる。


「...あんま似合わない」


こういう派手な色、地味な私には正直似合わなくて。
それでもつい塗りたくなる。

そのまま今度は左手をあげて。
この手にもしかしたら、指輪が、はまるのかもしれないのかなぁ...。


重「お前何してんねん(笑)」


お風呂から出てきたしげが私を見て笑う。
まぁ、なかなか間抜けなポーズですよね。


重「指輪、買わへんからな」

「えっ」


心の声聞きました？ってくらいタイムリーな言葉にびっくりしてしげを見上げる。

髪も綺麗に乾かして、寝る準備満タンなしげがそのまま隣に寝転がった。


重「バレてもーたし」

「なんだぁ」

重「指輪とかお前欲しいん？」

「んー、まぁ。
でもあれだけ調べてくれたらそれで割と胸一杯かも」

重「...金のかからん女やなぁ(笑)」


そう言ったらぎゅっと抱きしめられて、しげの洗いたての髪が首にあたってくすぐったい。


重「でもほんまわからんからさ、何か欲しいもん言うてや」

「え、自分で？」

重「これってやつ写メって送っといてや(笑)」

「んな身もふたもない...(笑)」


しげが私の事考えて選んでくれたらそれだけで嬉しいんだけどな。


「...あれかな、お揃いの物とか、ほしいかも」


首元から顔を外したしげはちょっと難しい顔してて、慌ててつけたす。


「あ、違うよ！外ではつけれないのわかってるから！
しげがアイドルだからとかじゃなくて、そんなんしげ苦手でしょ？

だからあの、食器とか、家で使うものでお揃いとかあったら嬉しいかな」

重「...ん。わかった。何か見てみるわ」

「うん、楽しみにしてるね」


まだ寝るには早いしなんか見よってネット配信の映画探して。
部屋の電気消して映画を見て。


重「寝転がって見る映画もええなぁ」

「なんか楽しいね」

重「もう具合大丈夫なん？」

「しげが優しくしてくれたから治ったねぇ」

重「ちょろいなぁ(笑)
...しゃあないから今日このまま一緒寝たるわ」

「あ、それは大丈夫です。狭いし。」

重「意地でも動かん！！(笑)」

「(笑)」



そのまましげは本当に動かなくて。
いつの間にか2人狭いシングルに肩並べて寝ちゃってた。

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