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「え、待って。今日どこか泊まるの？」
重「おう」
仕事の話をしながらしげの運転する車に揺られて。
その事に気付いたのは、またしてもしげが高速に乗ろうとしたからだった。
重「お前一泊できるくらいのセット持ち歩いてるやろ？」
「それはそうだけど...でも服とか無いよ？
よそ泊まるなら洗濯だって頼めるか」
重「どうとでもなるやろ」
さらっとそんな事言ってのけて。
そりゃ男の人は楽だろうけど。
女なら恋人と外泊するならそれなりの準備が必要なもんでしょ！
...まぁ、そんなのしげが気づくわけないか。
「どこ行くのー？」
重「先に言うたら面白くないやん」
「んー、サファリパーク？」
重「前仕事で海外行った時ナイトサファリ行ってんけどさ。
動物みーんな寝てたで(笑)」
「え、つらい(笑)」
重「動物園行くなら昼間やな」
「じゃあ行けないか」
重「動物園ロケの仕事とってこいや(笑)」
「動機不純だよ(笑)」
ほどなくして見えてきたのは“箱根湯本”って書かれた看板。
「...箱根！」
重「温泉いうたら箱根やろ」
しげはご機嫌に鼻歌歌ってるけど、箱根って...
「人、多くない？」
重「結構登るから」
そういう問題？
もう日も暮れて、通りの人もそれなりに落ち着いてはいるけど。
山道を登ると確かに駅周辺よりはだいぶ人が少なくて。
途中の細道を曲がってしばらくすると雰囲気のある大きな旅館が見てきた。
「あそこ？」
重「なんて名前？」
「なんて読むかわかんない...星に、胡蝶蘭の蘭て書いてる」
重「あー、ほんならそこや」
そう言いながら駐車場を素通りする。
「ねぇ方向音痴さん、今駐車場ありましたけど」
重「うっさいなー、こっちであってんねん。たぶん」
「ちょっと(笑)引き返せる所あるの？」
もう暗くなった先の見えにくい道を凝視すると、小さな灯篭が見えてきた。
そのまま進むとまた...旅館？
名前を確認するとさっきと同じ星蘭と看板が立っている。
さっきの旅館に比べると小さめで、でも趣きと高級感がある。
重「ほれ、あった」
「...ここ泊まるの？」
なんていうか、ここ、とってもあの、高そうなのですが。
しげは車を停めて、自分の荷物と私のもらったばかりのキャリーを引いて入口へ歩き出して、慌てて後を追う。
重「こんばんはー」
こういう時、さらっとこういう挨拶できる所、好きです。
一瞬緩んだ気持ちが一気に引き締まる。
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました。
重岡様、A様」
上品な着物を着た綺麗な女将さんが、床に両手をついて私達を迎えてくれたから。
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のら(プロフ) - chiiiiiさん» コメントとありがとうございます！受験...！大変な時期ですね！そんな時にも読んで頂けて嬉しいです。私もそんな話書きたい...(笑)このシリアスモードが落ち着いたら是非、書かせてください！ (2019年11月13日 20時) (
レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
chiiiii - この小説が受験勉強の癒しです！風邪っぴきしげちゃんの看病が見たいです！これからも頑張ってください！ (2019年11月7日 21時) (レス) id: f05db0f9cf (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - よしのさん» 作者の妄想話をそんな風に言って頂けて嬉しいです！お気遣いもありがとうございます、頑張ります！ (2019年11月1日 8時) (レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます！キュンとして頂けて嬉しいですー！更新頑張りますね！ (2019年11月1日 8時) (レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - すごく素敵な作品で、きっと完結しても何度か読み直すんだろうなと思っています！無理せずゆっくり頑張ってください＾＾ (2019年10月30日 20時) (レス) id: 20fd6cf58f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のら
| 作成日時：2019年10月18日 21時
