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重「...」
「...何?」
重「...ほんまに?」
「こんなんで嘘、つかないよ」
そう言ったらしげがその場にしゃがみ込んだ。
重「〜〜〜っ!よっしゃぁ!!」
「ちょ、声でかい...っぅわ」
しげに声のボリュームを落とすよう伝えようとしたら、ぐっと腕を引っ張られ、その勢いで私もそのまましゃがみ込む。
しゃがんだ所でその手は離れなくて。
そのまましげの力に任せて引っ張られた体は、気づけばしげの両腕に包まれていた。
背中に回されたしげの腕がぎゅっと力を増して。
苦しいのにそれが心地いいなんて、変なの。
重「お前俺の事避けとったから、正直不安やった」
首元で聞こえるしげ声色でそれが冗談でもなく本気で感じてたものだと伝わる。
「あー、それ、は、うん」
重「なんやねん」
「その、熊谷さんに、注意されて」
重「?」
「私としげがくっつき過ぎって...」
現在絶賛くっつき中で言うのもあれですが。
でも、もしこれから本当に付き合うとしたらこれって凄い大事な話になる訳で。
「...ちょっと、一旦ちゃんと話そっか」
重「...せやな」
そう思ったのはしげも同じらしく、私の背に回った手を素直に離してくれた。
それでも顔の位置はそりゃ、近い。
重A「「...」」
お互いパチっと目があって。
うあ、これは。
「...ぃたっ」
無言でバシっと頭を叩かれた。
先に顔を逸らしたしげの顔はちょっと赤くて、つられる。
重「おら、立てや!飲みもん寄越せぃ!こちとら緊張で喉カッラカラやねん!」
誤魔化すように立ち上がって仁王立ちして私を見下ろす。
私はそれがちょっと可笑しくて、でも笑うのをこらえて立ち上がった。
「はいはい。
飲んだら先にシャワー浴びちゃう?」
重「あー、せやな」
「ん」
キッチンで2人並んで水飲んで、しげにいつも部屋着を渡して脱衣所へ見送った。
「...はぁ」
一息ついて、ちょっと、頭を整理する。
...どうしよう。
これからの事とか、普段の接し方とか、話さなきゃいけない事も、気を配らなきゃいけない事も絶対に増えていく。
それなのに、しげの隣にいる事を選んでしまった。
だって、こんなの、嬉しすぎて。
しげに渡されたアイビーをキレイに洗って水を張った瓶にさす。
花を渡そうとして、結果アイビーって...(笑)
葉の先をつんとつつくと、洗ったばかりのキレイな緑が小さく揺れた。
花言葉とか、絶対知らないよね。
...教えたら取り上げられてそうだから黙っとこう。
「おし、しげがシャワー終わる前にやっちゃわなきゃ」
1人ごとを呟いて、私はリビングに戻った。
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のら(プロフ) - むむさん» ご指摘ありがとうございます。文字化け箇所訂正したのでご確認頂ければ幸いです。 (2019年10月15日 21時) (レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - りすさん» コメントありがとうごさいます!いろんなパターンのイチャイチャ楽しんでもらえようがんばります! (2019年10月15日 21時) (レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - いつも楽しく拝見しております。41話が少し変なので確認してもらえませんか? (2019年10月15日 13時) (レス) id: 82f8d80357 (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - しげとのイチャイチャ見れるの楽しみにしてます(^ ^) (2019年10月13日 23時) (レス) id: 60f3cc52f9 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - kittyさん» コメントありがとうございます!そしてそして、リクエストも...!作中そんな話も入れていきたいので、是非これからも覗いてみてください。 (2019年10月13日 12時) (レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のら | 作成日時:2019年10月3日 0時