6 ページ6
「運命って」
あまりにしげらしくない言葉につい聞き返す。
しげは仰向けで寝て、天井見を見ながら話す。
重「運命の出会いみたいやん。Aの好きな漫画にありそう」
「羽化した蝉きっかけで恋するヒロインとか見たことないけど」
重「やめろやw」
うつ伏せになってる私の頭をしげが叩く。
だってそんなん見たこと無いし。
私もしげにならって仰向けに体制をかえた。
「何で別れたかと言うとー」
重「自分から話すんけ(笑)」
「流れ的に次はここかなと(笑)」
重「はい。じゃあ別れた理由どーぞー(笑)」
しげがマイクを持つふりして腕をこっちに伸ばす。
「えー、順調な交際を続けてきた私達でしたが。
あれですね、私ありがたいことに店長のポジションに就きまして」
重「え、すごいやん」
「すごいでしょ。
それでその直後ですね、彼の名古屋への転勤が決まりまして」
重「タイミングえぐいな」
「結婚するかとか一哉について行くかとか話はもちろんでたんだけど。
店長なったばっかで辞める気はなかったからさ、結果、遠距離ですわ」
重「うわ、ほんまドラマみたいやん。
...遠距離無理かった？」
「や、割と順調だったんだよ。私平日休みで一哉土日休みだから時間は厳しかったけど。
花屋のスタッフも知ってる分気効かせてくれたし。
でもここで彼の優しさが仇となりまして」
重「おう」
「転勤先の社員の女の子にさ仕事の相談されて、無下にしない訳よ」
重「あーあ」
「都内で生き生き働いてる女と、近くで弱々働いてる同僚よ。彼の優しさは弱ってる方に向いた訳さ。
女だって恐らく計算尽くよ。
でもそんなんさ、男は気づかんもんでね。
気づいたら寝取られて、おしまい」
とくに意味もなく両手を天井に向けて伸ばす。
運命もロマンチックも何もないでしょ？って笑ったけど、しげはさっきまでのふざけたテンションじゃなくなってた。
重「そんな奴のどこがええ奴なん」
「基本すごい優しいのよ。ただ誰にでも優しい人だったからねぇ。私も私で仕事優先したい時期だったし」
彼は女性社員と一夜を共にした直後、車を飛ばして私の家に来て、謝罪した。
まだ朝方で、そういえばこの前の朝みたいな綺麗な空してたなぁ。
彼は別れにきたんじゃない。許されにきたんじゃない。ただ謝罪して私に愛してるって伝えにきた。
私はそんな彼に「仕事だから」と言い残してその場を去った。
私の冷たさもきっと彼が過ちを犯す原因になったんだと思う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 850人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のら(プロフ) - みいさん» わかりにくい事をしてしまいすみません。今後修正部分に関しては更新情報が乗らないように気をつけますね。 (2019年9月24日 23時) (
レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
popo - のらさん» ありがとうございます！ (2019年9月24日 19時) (レス) id: 1cd21b4234 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - そうなんですね。更新になってるので見ると前の方に話がもどっていたので…6の更新ではないなら、大丈夫です。頑張ってください。 (2019年9月24日 14時) (レス) id: 055b967b0d (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - みいさん» コメントありがとうございます。話戻ったりをちゃんと理解できてなくて、間違った回答でしたらすみません。昔の話を読み直して誤字脱字に気づいた所はその都度訂正してはいるのですが、そういう事で大丈夫でしょうか？それとも話の時系列についてでしょうか。 (2019年9月24日 13時) (レス) id: 722c2a39b7 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - いつも楽しく拝見してます。話もどったりしてますか？ (2019年9月24日 8時) (レス) id: 055b967b0d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のら
| 作成日時：2019年9月4日 9時
