7色の後ろ側 6《赤》

30 ページ30

side 重岡

今日淳太を誘ったのは、相談乗って欲しかったのと謝りたかったから。

俺は昔淳太と美和さんに、ほんまに酷い事たくさん言うてもうたから。

同じ立場になって、初めて2人の気持ちがわかるってほんまに情けない。


重「...ごめんな」

中「何がよ」

重「昔、2人にめっちゃ酷い事言うてもうた。
裏切り者って何度も言うた。
そんなんちゃうかったのに、俺らの事大切に思ってたからいっぱい悩んで、それでも隠さんと打ち明けてくれたんに」


俺は自分の気持ちしか考えられてへんかったんや。



中「...ふ(笑)
何やねん、今更。きっしょいわぁ」

重「は、」

中「しげがさ、そうやって当時の俺らの気持ち考えるきっかけになるような事が、最近起きたんやな」

重「...」

中「ええ事やんか」

重「...ええ事、なんか？」

中「ええ事ちゃうの？」


ビール飲みながら平然と聞いてくる淳太。

やって、ええ事ちゃうやん。
メンバーにとったらスキャンダルのリスク高なるし。
やって、傷つくファンやって絶対、おる。



中「お前はほんまに昔っから真っ直ぐ一直線で。
普段しばきたくなるくらいふざけとる癖になぁ(笑)

デビュー前からセンターに立って俺らをずっとずっと引っ張ってくれとる。
凹んだりしたってそんな素振り滅多に俺らに見せへん。
そんなお前がおるから俺らは根拠もない変な自信だけで突っ走ってこれてん。

やけど、せやから、お前はきっと余計に真っ直ぐ一直線しか見れへんかってんな」

重「...」

中「そんなお前がさ、初めて余所見してん。
ほんでさ、また前向こ、一直線に前だけ向こうってしてんのにそれがでけへんくらい気になって惹かれて。
それって単純にさ、しげがそれだけ大切に思うもんが１つ増えたって事やん。
大切なもんが増えるのが悪い事な訳ないやろ？」



俺が淳太を好きなんは、俺がどんだけアホみたいな事しても、ウザ絡みしても、ちゃんと相手してくれるから。

せやけどな、それだけちゃうねん。

関西ジャニーズJr.の時から照史とツートップで俺らをずっと守ってくれとった。
先頭きってくれて。なんかあったら怒ってくれて。

俺が前だけ見れてたんは、2人が横におってくれたからやねん。
やから俺は安心して前だけ見てられてん。



重「...ええ事なんや」

中「決まっとるやろ。お前アホやから頭使わんと心のままにやったらええねん。
考えようとするからそない難しくなんねん(笑)」

重「淳太」

中「おう」

重「俺、Aの事好きやねん」

中「ほうけ」

重「淳太の事もだいすきやわ」

中「きしょいわ(笑)」

31→←29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す