7色の後ろ側 6《赤》

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熱いシャワーを浴びて、必死に頭をすっきりさせようとする。
それでもやっぱりそう簡単にアルコールは抜けてくれるはずもなく、頭はぽわぽわしたままで。

私は何してるんだろう。
夢でも見ているんだろうか。

考えもろくにまとまらないまま、私は脱衣所に戻った。


しげは丁寧にタオルと着替えを置いておいてくれてて、お言葉に甘えてそれに着替えて。

パジャマで寝ると全然ちゃうねん！ってしげが前に言ってたけど納得。すごい着心地がいい。
それに、しげの匂いがする。

くんっと長すぎる袖の匂いをかいだら、胸がょっと苦しくなった。







side 重岡

ガチャっと音がした方を見るとAが申し訳なさそうにこっちを覗きこむ。


俺が普段使っとるパジャマやから、そりゃサイズでかいのはしゃあない。

やからってそんな風に裾折って、それでもやっぱゆるっとしとって。
これはもう、あれやんか。
世の中の女誰がやったってかわいくなるやつやん。


重「とにかく水飲めや」


ソファに座ったままペットボトルを差し出すとおずおずリビングに入ってきて受け取った。

座らんのか聞くと、申し訳なさそう俺の隣に座る。


重「お前どんだけ飲んだん？あんなんなってんの見た事ない」

「ボトル2本あけたくらい」

重「うわ」

「久しぶりの女子会楽しすぎて、つい」


確かにこいつも美和さんもすっげーにやついとったよな。


「何でしげとタクシー乗ってたのか、全然覚えてないんだけど...」

重「俺近くで神ちゃんと飯食っとって。んでちょうど帰る頃に美和さんから連絡きて」

「え、なんで」

重「あの状態のお前一人で帰らすんは無理やし。
俺だけやろお前と泊まった事あんの。
やからちゃう？」

「あー」


正直美和さんが何で俺を呼んだかなんて微塵もわからんけど、それらしい理由を適当に言うたらAは納得したらしい。

ほんで少し落ち着いてきたのかきょろきょろ周り見だして。


「なんかしげの部屋シンプルだね」

重「あんま物おかんから」

「カーペットがネイビーなのしげっぽい」

重「なんやそれ(笑)」

「男の子の部屋だね」


へらっと笑いよって。
こいつ絶対まだ酔っとるわ。


重「ええから髪乾かせや」

「ん。ありがと」

重「俺もシャワー浴びたいからここで乾かしてや。
鏡ないけどいける？」

「大丈夫」


ほれ、とドライヤーを渡して俺もシャワーを浴びに向かった。

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