7色の後ろ側 5《赤》

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しげってば余計な事言って。
それでいて自分の名前は隠すから面倒な事になるんじゃん。


望「...最近、メンバー以外の男と遊んだりしてるん？」


...ほら。


「プライベートは明かさない主義です」

望「はぁ！？何なんそれ！」

「仕事関係ないもん」

望「俺ら仕事仲間以上の関係やんか！」

「そんな関係になった覚えはありません」

望「んなっ...！」

「ほら、着いたよ」


駐車場へ車を停めて望を促す。


望「...何でそんな壁作るん？」

「別に作ってな「作ってるやん！！！」


望の大きな声が車中に響く。
望の表情が怒ってるような、泣きそうなような、そんな顔をしてて。

ぎゅっと胸が苦しくなる。
何で私は望にこんな顔させちゃってるんだろう。


「...ごめん」

望「...何で謝るん」

「そんな顔、させたいわけじゃないんだけど」


手を伸ばして望む柔らかい髪を撫でようとすると、頭を下げて触りやすくさせてくれる。

「...ふ(笑)」

望「何ぃ？」

「撫でやすいように頭こっち向けてくれたの？」

望「俺優しいからな」

「だね(笑)」


そんな私の手を掴むと、望は自分の頬へ添えた。
子犬みたいなかわいい顔してこっちを見てくる。


望「なぁ、もうちょっとだけ話したい...あかん？」

「そういうの、どこで覚えてくるの？」

望「独学♡」


さっと助手席から降りて運転席まで回ってくると、ドアを開けて私に向かって手を差し出す。

その姿があまりに王子様みたいで、気づいたら差し出された手に自分の手を重ねていた。

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