7色の後ろ側 5《赤》

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side 重岡

うわ。やばい。どないしよ。

Aの体が硬くなるのがわかる。





重「ぶーーーーーーっ」




そのまま勢いよく息を吐くと震えた唇が唾まきちらしながら不快な音を立てる。


「...はっ！？ちょ、汚っ！」

重「ぎゃはははw
めっちゃええ音鳴ったー！ww」


ぱっとAから離れる。
Aは顔赤くしながら首元押さえとって。


重「これ神ちゃんにやるとめっちゃ怒んねん(笑)」

「当然でしょ！！」


うわ、顔怖っ。


重「淳太もええ音すんねんけどなー、Aもええ勝負やわ！」


ふざけた調子で言うて、俺はリビングに逃げた。
あかん、俺の顔もめっちゃ暑い。



「ちょっと、こんなん共演者さんとかにしてないよね！？」

重「するわけないやん。Aやからやってんねんもん」

「私にもやらないで！」

重「ケチ臭いのぉ」


ふざけるような声出すのが精一杯で、顔の熱が引くまでは向こうに戻れる気しぃひん。
頭かいてソファに座り込んだら放置されてたAのスマホが震えた。


《ブーブーブーブー》


重「スマホ鳴ってんでー」

「ん、すぐ行くー」


俺の顔を見ずにスマホをとりにきたAの頬はまだ赤い。

やけどスマホを手にとったら、その表情はすぐに変わった。
そんでそれは俺も同じやって。

手に取る時にちらっと見えてしもた。


液晶に映し出された”一哉”の文字。


「...急ぎじゃないからいいや」

重「ほーん」


Aはそう言うて通話を切ると、そのまま自分のポッケにスマホをしまってキッチンへ戻った。

俺は一哉ってああいう字書くんやなんて、クソどうでもいい事を考えてた。

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