7色の後ろ側 5《赤》

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「皆から誕生日メッセージきてる？」

重「まぁ、俺人気者やから？」

「さすがですねー」

重「棒読みやんけ！」


キッチンで夕飯の用意をしながら話す。
しげはダイニングテーブルでハイボール飲みながらスマホいじってる。

アイドルとこんな日常的な生活送るって。
人生何があるかわかったもんじゃないな...。

ちらっと後ろを見ると、視線に気づいたのかこっちを見返してくる。


重「なんやねん」

「なんも」

重「あそ」


省エネモードとでもいうのか、しげは落ち着いてる時は本当に静か。
騒ぎ出すと信じられないくらいうるさいのに。


でもさっきお昼食べた時本当にニコニコしてたから、喜んでくれたみたいでよかった。

マネでよかったなんて言ってくれて。
普段そんなの口にしないタイプだから私もすごく嬉しかったし。


重「うわ、ええ匂いしてきたやん」

「あと味しみるまで煮込むよー」


眼鏡を外すと目元を擦りながらしげがこっちにくる。


重「あー、はよ食いたい」

「もうちょい待って...は、」


私の後ろから肉じゃがの鍋をのぞき込む。
肩にしげが顎を乗せてきてぐっと重たくなるのを感じた。


「ちょ、しげ」

重「ん？」

「ちょちょちょ」

しげが顔を少し傾けて。
しげの唇が首に。首に。首にあたっている。
そこが火傷したみたいに熱を持つ。









side 重岡

洗濯物畳んで、映画見て、ほんでAが今は肉じゃが作ってくれとる。

俺はメッセージくれた奴等に返事しつつハイボール飲んで。


ずっと目ぇ使ってたから少し疲れたわ...。

ぼけーっとAの背中見とったら、そのちっさい背中がやたら可愛く見えた。
あかん、俺酔ってきたんかな。


眼鏡置いて匂いに誘われてAに近づいてのしかかる。
したらふわっとシャンプーの匂いしよって、ほんま無意識やってんけど、首んとこに唇押し当てとった。


うわ、やばい。どないしよ。

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