7色の後ろ側 5《赤》

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side 重岡

「...」


俺、どうしたらええんやろ。

右肩に感じる重み。
それはつまり、Aが俺にもたれかかる形で寝てもうたからで。

ほんでたった今洗濯機のアラームが鳴った。


うわ、洗濯も干さなあかんやん。
やけど、今動いたらこいつ起きるやんな。

あー、どうしよ。


つーかな。
再三言いますけども。
俺やって、年頃なんですわ。


シャワー浴びて風呂場でたらこいつおるし。
俺マッパやで！？

ほんでこいつ、部屋着この前とちゃうねん。
ちょっとダボっとしたTシャツに、ショーパンとは言わんけど膝よりそこそこ短いパンツ履いとって。

そのパンツやってちょっとゆるいやん。
お前器用にソファーで三角座りしとるけど、それ前から見たらパンツ見えるんちゃう？なぁ？

風呂上がり独特の匂いさせよって...。


あーもーアカン。
やめよ。萎える事考えよ。
おかんの裸、おかんの裸、おかんの裸。


よっしゃ、ええ感じや。
気持ちおちつ「んん...」

俺の肩を勝手に使うちっこいブスが、ブスらしからぬ声をだす。


くっそ...！！！


もう寝よ。
洗濯物とか、知らん。
そんなもんいくらでも臭なったらええねん。


Aの頭に自分の頭を乗せてよりかかるようにする。
あー、でもこれちゃうな。ちょっと寝にくい。
てか寝るなら横になりたい。
横になって寝たいねんけどー。


重「...起きろや」


空いてる左手でAの頬をつまむ。


重「むにむにしてんな(笑)」

「ん゛っ....ん...？」


Aの頬肉堪能してたらさすがに違和感があったらしい。
唸り声だしながら目ぇ醒ました。


重「おい。いつまで俺の肩使う気なん？金とんで」

「...？」


声かけたら怠そうに俺を見上げて、すぐ目ぇ見開いた。


「あっ」

重「あっ。って何やねん(笑)」

「寝てた？」

重「おん。おれの肩枕にして」

「うわぁ...すみません」


さっと俺から離れて立ち上がる。


重「あと洗濯終わったで」

「あ、干します干します」


そうとう気まずかったのかなんや挙動が不審になっとるA。
...おもろい(笑)

脱衣所へ向かうAの後ろをついてく。


重「何か夢見た？」

「えっ、わかんない。何で？」


洗濯物をカゴに移動しながらAが答える。
俺は入り口のとこに寄りかかってその様子を見とる。


重「俺の名前何度も呼んどったから」

「えっ！？」


まぁ嘘やけど(笑)
こっち振り返ったAの顔はそりゃあ耳まで真っ赤で、俺の中で今まで芽生えた事のない感情が芽生えた。

そろっとAの方へ近づいてわざと顔を覗く。


重「...そんなに俺の事好きなん？」

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