7色の後ろ側 5《赤》

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「「ただいまー」」


しげが当然のようにただいまって言って、それが嫌じゃない自分に嫌気がさす。

しかも家主より先に家あがるし。
どういう事よ。


「しげ、まずシャワー」

重「お前先入らんの？」

「しげ入ってる間に洗濯回すから。
しげの服も洗うから洗濯機突っ込んどいて」

重「お、ありがとぉ」


そのまま素直に脱衣所へ向かうしげ。

この前しげが置いていった下着と、パジャマ...はたぶん着ないだろうから、しげに落書きされてTシャツと花柄ステテコを用意する。


「もうお風呂の中入ったー？」

重「入ったー」


その声を確認して私も脱衣所に入る。
洗濯機を回して、その上に着替えを置く。


「着替え置いとくからね」

重「おー」


干物を閉まって、冷蔵庫の中を確認して。
肉じゃがか...あと今日しげがくれた干物とお味噌汁と何か小鉢作ればいいか。


私もすぐ着替えたいけど汗を流さなきゃそれもできない。
とりあえず先にメイクだけ落とそう。

まだシャワーの音がしてるのを確認して洗面台でメイクを落とす。
それとほぼ同時にシャワーの音が止まった。


あ、やばい。


そう思ったけどガッツリクレンジング中の私は喋る事もできず。


重「ぅおっっっわ！！」


そりゃ驚きますよね。
クレンジングを落として、目をつぶったまま話しかける。


「しげごめん。何も見えないからそのまま着替えていいよー」

重「お前アホちゃう！？俺今ふるちんやで！？」

「そんな報告いらないから！(笑)」

重「ほんま見えてないんやな？
大毅の大ちゃん見たらあかんで？」

「うっさいなもー。そんなん言うなら見るよ？」

重「セクハラマネージャーやww」


そう言いながら私が目つぶったまま洗顔料探してたらほれ、と渡してくれた。
お礼を伝えて受けとると脱衣所の扉が閉まる音がする。

洗顔を済ましてそのまま服を脱いで私もシャワーを浴びる。

はぁ、やっと体すっきりした...。


着替えて部屋に戻ると、しげは勝手にお茶をのんでテレビを見ながらソファで寛いでた。


重「ほんま、油断も隙もない奴やで」

「はいはい」


私も隣に腰掛ける。


重「...今日はちゃんと髪乾かしてるやん」

「あー、うん」


そりゃ乾かしましすよ。
この前あんな事あったし。

それ以降は特に会話もなくお互いスマホいじったりテレビ見たり。
なんか気まずいし、なんだかんだ疲れたし。

手持ちの無沙汰で、お腹に抱えてたクッションを握りしめる。
...早く、洗濯物終わらないかな。

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