7色の後ろ側 3《赤》 (ページ43)

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医「恐らく疲労ですね。あとは軽度の貧血症状が出てます。」

一応点滴して帰りましょうと言われて、ベットで横になったまま点滴の薬品が一定のリズムで落ちる様子を見る。

あの後すぐにタクシーがきて、近くの病院へ向かい診察を受けて今の状態。

点滴が終わるのは2時間後位らしい。

今日彼らが撮るのはニュース番組のワンコーナー。
あの時点でメイクも衣装も終わっていた。
1時間もしないで、収録は終わるはず。

どうやったって間に合わない。

とりあえず移動車だけでも準備しようとスマホを開いたら、事情を聞いたであろう美和から移動車の手配が済んでいること、今日はこのまま帰っていい事、私への気遣いの言葉も添えたメールが入っていた。

さすが美和...。

マネージャーという仕事は自分が想像していたよりもずっとハードで、花屋だって体力勝負な所はあったけど比じゃない。
深夜帯の仕事も当然のようにあるし、メンバーはそれを笑顔でこなしている。

情けないな...。

そんな風に頭では考えてるのに視界はどんどん狭くなって、私はいつのまにか眠りに落ちた。

看「Aさん、そろそろ点滴終わりますけど体調いかがですか？」

看護師さんの声で目がさめる。
申し訳ないとか思いながらすっかり寝てる自分の図々しさよ...。

「はい、大丈夫です」

看「そしたらまた来ますね、お迎えの方もいらしてるので。
入ってもらって大丈夫ですか？」

「あ、はい」

事務所の人が誰か来てくれたのかな。

カーテンを閉めて部屋を出る看護師さん。
入れ違いで誰かが入ってくる気配がした。

体を起こして軽く髪を整える。

シャッとカーテンを引く音がして姿を現したのが

「お。思ったより顔色ええやん」

「...しげ」

まさかしげだとは。