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side 美和
中「俺さ、Aちゃん怒らせたかもしれん」
廊下を歩きながら急に淳太が呟いた。
しっかり考えてものを言う淳太、あんまり人を怒らせる事なんてない。
美「何で？」
中「Aちゃんにええ人おらんのって話しててんけどさ、昨日神ちゃんと出かけてたやん。
神ちゃんなんてどうって冗談で言うてんけどさ」
あー、こいつ地雷踏んだな。
中「なんや冷めた感じで返されてんなぁ」
美「メンバー皆がそんな事ばっか言ってたら嫌になるでしょうよ。
こちとら仕事してんのよ」
中「やんなぁ。あーあ！やってもうたー！」
美「淳太も今は仕事中！カッコよくなって収録終わらせてきてください！」
ばしっと背中を叩いてメイク室へ見送る。
中「痛っっ！しゃあない、アラサーの本気見せたるわ」
よろしくお願いしまーすと淳太の声が聞こえた。
side A
床を一通りモップかけして、私も着替える。
仕事が変わってダンススタジオに行けなくなったのにダンスを踊る回数は増えるって変な感じ。
重「あれ、淳太もうメイク行った？」
ガチャっとドアが開けば顔を出したのは重岡さん。
メガネを外して髪もちょっと巻いてるって事は重岡さんはメイク済みな訳だ。
「さっき美和が連れてきましたよ」
重「なんやー、せっかく遊び来たのに」
そのままスタジオへ入ってくる。
「中間さんの事だいすきですよね」
重「めっちゃ相手してくれんねんもん(笑)
あ、神ちゃんわりと復活したで」
「お、よかったです」
重「なぁモップもう終わったん？」
「終わりましたよ」
重「じゃ、楽屋戻ろーぜ」
ズボンのポッケに両手を突っ込んでこっちを見る重岡さん。
目が合うとおっきな口開けて笑顔。
着替えと飲み物を手にとりドアへ向かう。
「メイク今終わったばっかですか？」
「おう。あと淳太だけ」
じゃあメイク室かここまでの廊下で中間さんと美和にすれ違うはずじゃ。
もしかして迎えに来てくれたとか？
「迎えに来てくれたんですか？」
重「は！？ちゃうわ！
飲み物、買いにくるついでじゃ！」
重岡さんは先に見える自販機を指差す。
恥ずかしいと変顔するの癖なのだろうか。
「...ふ(笑)」
重「何笑てんねん！財布だせや！」
重岡さんにカツアゲされた私はジュースを奢る羽目になった。
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作者名：のら
| 作成日時：2019年6月12日 1時
