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Aとは2.3ヶ月に1度、なんとなく会って飯食って世間話をする。
やから次会うのは2ヶ月後くらいって、そう思ってたけど予想より早会う事になった。
部活終わらせて、今日は雨の予報やったから自転車はやめて電車使て。
降らへんやんって駅から歩きだして少しした時やった。
ぽつりぽつり降り出せばすぐに勢いを増す。
降り出した雨は好きやないけど、自分の用意周到さに少しばかり嬉しくなる。
雨から逃げる様に走って行く人を横目に傘さして。
余裕こきながらふと視線を公園に移して。
ほんならあいつを、見つけた。
小「...A？お前こんな所で何してん」
「え、は、小瀧？」
こちらへ向かってくる見慣れた人物は間違いなくAで。
その横に立つすらりと背の高い今時男子。
聞きなれへん遮断機の音が頭に響く感覚がした。
小「俺もしかしてデートの邪魔してるん？」
「違うから！傘、目黒くんほら」
小「おい俺濡れるやんけ！」
俺の傘を奪ったら今時男子にそのまま傘を差し出す。
おいこら何すんねん！
「小瀧家すぐそこでしょ。
目黒くん、これ使っていいから気をつけて帰ってね」
目「いや、あの俺」
小「傘無いん？やったらええよそれ使い。
おらAお前ははよこれ使えアホ！」
目黒とかいうどう見たって年下の男。
こいつとAの関係なんてわかるはずないけど、俺のが関係が深いのは確実。
傘くらい幾らでもくれてやる。
Aの頭にタオルを被せて、距離を詰めた。
小「お前服それで帰られへんやろ、一旦俺ん家寄り。車出すわ」
「ん」
見せつけたる、年上の余裕。
小「君も気ぃつけて帰り、ごめんな邪魔して」
「風邪引かないようにね」
Aのタオルが落ちない様に頭に手を添えて駆け足で公園を出れば、目黒は傘さしたまま間抜け面で立ち尽くしとった。
おう目黒、お前車なんか持ってへんやろ。
まぁ俺もカーシェアやけど。
そんなんバレるはずもない。
大人の男に敵わん事わかってくれればそれでええ。
...俺、なかなか嫌な考えしとるわ。
「きゃっ」
Aの体が後ろに引かれる。
油断しとった俺の手からAは簡単に離れた。
振り返れば目黒がAに傘を握らせとる。
目「Aさん女なんだから使ってください。
あの、傘ありがとうございます、俺も家すぐそこなんでこのままで大丈夫です」
そうやって逃げもせんと俺の目をしっかり見てくる。
目「あとこれ、話途中だったんで連絡ください」
Aに何か握らせたら、俺らに背向けて走り出せばあっという間に見えなくなった。
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作者名：のら
| 作成日時：2020年9月8日 12時
