夏にとける side N.K (ページ21)

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「...あんまり変わらないもんだね」

小「そんなん神ちゃんも言うてたわ」

「これ私入っていいの？」

小「俺もおるし大丈夫やろ」

俺の現職場であり、俺らの母校でもある高校にAがいる。
文化祭で誘った時は来んかった癖して。

生1「小瀧先生その人誰？彼女？」

小「俺の同級生。ここの卒業生やで」

生1「えっ、そうなんだ！こんにちは！」

「こんにちは」

小「早よ家帰ってテスト勉強せぇ」

生1「はーい！さようなら」

小「はいはい、さようなら」

校庭を歩いてたらまだ残っとった生徒に絡まれた。
俺と在校生のやりとりをAは黙って見とるけど、その目が少し好奇を感じる。

「しっかり先生やってるんだね」

小「...まぁな」

飲み物を買うのに下駄箱横の自販機に向えば、Aは視界に映るもの全てを懐かしむようにゆっくりと見とった。

小「ミルクティー...はそんな好きやなかったんやっけ」

「レモンソーダにしようかな」

シゲがよう飲んでたやつ。
当時のパッケージのまま、ミルクティーの横に並んだそのボタンをAがゆっくりと押した。

「...流石にミルクティーは出てこないか」

取り出したレモンソーダを見ながらそう呟いたAの言葉の意味が俺にはわからんかった。