夏にとける side N.K (ページ17)

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「新年早々忙しい？」

小「顧問やっとったら正直な。休みらしい休みはないで」

「うちそんなサッカー強かった？」

小「今年部員頑張ってんねん、地元紙とか載ったで」

「は？言ってよ！」

言わんでおった事に怒ったような顔して、すぐにスゴいじゃんって笑顔を見せてくれる。
そんなんが凄く嬉しい。

同級生の結婚話、年末に神ちゃん達と集まった事、実家に帰った事、俺らは一緒におる時割とよう話す。
というか俺がついつい話してまう。

Aに笑ってほしくて。

無言になったらきっとシゲの事を考えてまうんやないかと思って。

俺なんかとおる時は、とくに。

「あ、そうだお土産」

小「あざーす。何、今度はどこ行ったん？」

「年始に鳥取」

小「コ●ン空港！」

「まず出るのがそれって(笑)」

でもそう言うと思って買ってきたからってもう1つ袋を取り出した。

普通に嬉しい、グッズ集めてるかって言われたら正直全然やけども。

「学校で使えそうな文房具セット」

小「こんなん絶対生徒にいじられるやん」

「生徒に言ってないの？」

小「言うてる、映画見に行った後とか語り合うてんもん」

「いい先生(笑)」

そう言うAが頼んだミルクティーにはシナモンスティックが刺さっとって、摘んでゆっくりかき混ぜる。

小「高校の時ようミルクティー飲んでたな」

「本当はそこまで大好きって訳じゃなかったんだけどね」

小「そうなん？」

「大毅先輩には内緒ね？」

小「...悪い女やなぁ」

そうやって俺らは、まるでシゲがまだおるような言葉を交わした。