夏にとける side N.K (ページ16)

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年末はバタバタしとって、おでん以来Aに会えたのは新年迎えてもう2月もすぐそこって時やった。

これよりもまだ寒くなるなんて信じたくない、1月の痛いくらいの寒さ。
ニュースでやたら騒がれとる暖冬なんて俺は一切信じてない。

「「明けましておめでとうございます」」

わざとらしい丁寧なお辞儀がなんとなく俺らの中のお決まりになっとる。

初詣行った？行った、なんてこの時期は誰に出会っても挨拶くらいの感覚で交わす。
それは俺らも例外やない。

「あ、初詣で濱田先輩と遭遇した」

小「は！？嘘やろ！」

「こんな嘘わざわざつかないよ」

そりゃ、そう、かも、しれんけど。

小「やってそんなん俺濱ちゃんから聞いてない...！」

なんや無性に寂しくなる。
おい濱田なんやねん、お前俺のこと大好きな癖して。

小「クソや」

「ちょっとアラサーがそんな事で拗ねないで(笑)」

小「うっさい！」

寒いとすぐ機嫌悪くなるって呆れた顔したら今日はカフェ行こうって適当な店を見つけて入った。

静かな店内に流れるジャズ、夜はスナックになるらしいこの店は少し入りにくい雰囲気だからか若い子がおらんくて時間がゆったり流れて感じる。

「当たりだね」

小「ほんまやな」

うちの生徒もやれインスタ映え言うていろんなカフェやら行っとって。
あんなん割高やん、お前らよう金あんなぁって驚かされる。