続・あの日あの時の後ろ側《虹》

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重「嫌やって」

「嫌じゃない」

重「それつけてバレたほうが恥ずいって」

「つけてればバレないって」


そう言う私の手元にあるのはキャラクターモチーフのサングラス。

あまりにいつも通りの大毅だから、これくらいはつけておいて欲しい。


重「皆言うほど周り見てへんって」

「なら恥ずかしくないでしょ、つけて」

重「お前それ卑怯やぞ！」


キャップに白Tにデニム。
一応マスクしてるけど、やっぱり分かりそうなんだもん。


蒼「とうちゃそれつけるの！？」


すでにクマ耳キャップを我が物顔でかぶってる蒼太が大毅を見上げる。


蒼「かっけぇ！」


...お？おお？


蒼「それ蒼太も欲しい！いっしょのつけたい！」

重「は？いやいらんって」


たじろいでるのは蒼太のキラキラした目に心が揺らいでるからだろう。


「蒼太、もう一押し」

蒼「とうちゃと蒼太とおかあちゃんでつける！」

「は！？」

重「...やって(笑)」

「私はいらないって！」

重「おっしゃこれ3つ買うたろ！
蒼太それ被んの？」

蒼「被る！クマさん！」

重「あそこのお兄さんにちょーだい言うてくんで」

蒼「はーい！」


私を置いてお会計に行けば、振り返った2人の目は愉快すぎるサングラスでしっかり隠されてた。


蒼「これおかあちゃんのね！」


大毅がたじろぐ程のキラキラした眼差し。
サングラス越しでこの破壊力。


「私絶対似合わないんだけど」

蒼「えー、とうちゃんのが変だから大丈夫！」

重「はぁ！？イケてんちゃうの？
さっきカッコええ言うてたやんけ！」

蒼「だってサングラスにマスクは悪い人だもん！りゅうくんみたい」


きっと流星が出ていたドラマの事だろう。
連続殺人犯の役を演じた彼は、よくサングラスにマスクをしていた。


重「ほんならマスクとるかぁ」

「えっ」

重「マスクしとったらサングラス曇んねん」

「でも、「どっちかやで」


ほれほれってマスクとサングラスにそれぞれ手をかけてずらしてみせて。
蒼太はそれが面白いらしくきゃっきゃ笑ってるし。


重「蒼太3人お揃いがええやんなぁ」

蒼「うん！」

重「ほんならマスクはおさらばじゃ！」


マスクを外してズボンのポケットに押し込めば、お得意のスマイルを見せつける。
おっきい口に片笑窪。


「...やっぱバレるって」

重「ほんならずっとこうしとるー」


おちょぼ口で蒼太を抱え上げた。
そしたら蒼太までマネするもんだから。


蒼「う！」

重「うー」

蒼「うー！」

重「んはは、なんちゅう顔してんねん(笑)」


私はそんな2人を写真に納めて、早く行こうって夢の世界へまた踏み込んだ。

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