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望がコンビニの中に消えて、私は佐久間の車に戻る気にもなれなくて、急ぎ足で道路に出た。
すぐにかかってくる佐久間からの着信。
佐『お前どこ行く気ー？』
「全部見たの？」
佐『なんで車戻ってこなかったんだよ』
「全部、見たの？」
佐『問答無用で特等席だったからねぇ』
「...帰る」
佐『あー！こらこら、ちょ、待ってって』
「無理、今一緒にいたくない」
佐『じゃあ俺が外行くからAは佐久間亭に待機！』
「意味わかんない」
少しした所で見覚えのある車が横に停まる。
誰の車なんて、そんなの嫌でもわかる。
佐「...ほら、いいから一度家帰ろ」
運転席から腕を伸ばして、助手席側のドアを開けてくれた。
「...」
佐「俺のアイスあるんだろー？」
「もうたぶん、溶けてる」
佐「じゃあ責任取って固まるまで佐久間亭にいること」
「...何それ」
ほらって差し出された手に自分の手を重ねたらあったくて。
「...っ」
佐「なーに泣いてんのよ」
「あんなとこ、見られたくなかった」
自分の汚い部分を全部見られた気がする。
弱くて、緩くて、流されやすい自分。
side 佐久間
駐車場で車を降りて、俯いたままのAの手を取れば振り払う事もなく素直に俺の手に収まった。
意外と小さい、女の子の手。
ドキッとして、ぱっと顔あげて、目が合えば笑い合って。
そんなんしたいのに、Aは相変わらず下を向いてる。
それでも涙は止まったみたいだから、俺はちょっとほっとした。
佐「ほい、到着」
「...おじゃまします」
佐「お前いつまでしょげた顔してんだよー」
「...」
佐「さては腹減ってんな？腹が減っては戦はできないでやんすからねぇ」
ほらってコンビニ袋を受け取ったら本当にアイス溶けてんの。
たぷんってなんだもん(笑)
2人分の弁当温めて直して、ソファに座るAにお茶を渡す。
自分で買ってきてたやつだけど。
俺はジュース片手に隣に座った。
佐「あれが例の泊めてくれる男？」
そう聞いたら首を横に振った。
あり、絶対そうだと思ってた。
思ったより近くにいんじゃんって思ってたのに。
佐「でも何でもない奴が、あんな事しないっしょ」
だって、そうだったらあれガッツリ犯罪じゃん。
「元彼。
....って、私は思ってた」
静かな部屋でレンジがチーンって空気も読まずに音を立てた。
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のら(プロフ) - 翔子さん» コメントありがとうございます！私も同じ流れなのでスノが好きになったので、なんだか嬉しいです。そして佐久間描写理解してくれるのとても嬉しい...！佐久間くん、いい人ですよね← 今後もぜひお楽しみ下さい(^^) (2020年5月19日 17時) (
レス) id: c16071a927 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - みぃさん» 7色からお付き合い、ありがとうございます！書いてて誰にしようって思うたび、全員いい男すぎて辛くなります← みぃさんもお身体にお気をつけて、ちょっとでも本作が自宅時間をいいもにできていれば幸いです (2020年5月19日 17時) (レス) id: c16071a927 (このIDを非表示/違反報告)
翔子(プロフ) - 投稿失礼します、以前のシリーズから読ませて頂いていました。自分はWEST担で、最近SnowManさんにハマっているので大好きな作家さんが大好きなものを書いてくださって個人的にすごく嬉しいです、佐久間さんの描写とかわかりすぎて辛いです、続き楽しみにしてます！ (2020年5月18日 8時) (レス) id: 839d94ac82 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - こんにちは。7色シリーズに続き、こちらも拝読させて頂いてます！誰オチか分からない所が読んでいてワクワクして楽しいです！これからも楽しみにしております。お身体にお気を付けてください！ (2020年5月17日 12時) (レス) id: 186b2f2942 (このIDを非表示/違反報告)
まりん - コメント覚えていただいていたなんて光栄です。ありがとうございます!!これからも楽しみに読ませて頂きます。 (2020年5月6日 22時) (レス) id: f071218485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のら
| 作成日時：2020年5月3日 0時
