指先に魔法、耳元に宇宙《緑》

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side 神山

桐「何か面白いゲームみっけたん？」

神「んぇ？何で？」

桐「最近スマホ触ってる事多ない？」

神「んー？そう？」

中「そんなんばっかしとったら目ぇ悪なんで」

濱「ふぁーw今の淳太めっちゃジジ臭ない！？(笑)」

望「しゃーないわ、おっさんやねんから」

中「アホか！ピチピチじゃ！」

重「30のおっさんがなんやうっさいんやけどー」

桐「皆して淳太くんいじめんのやめぇや(笑)」


メンバーにそんな風に言われたら、なんや恥ずかしくて一度スマホを置く。

連絡取るようになってからいうて数ヶ月。
飽きるどころか連絡の頻度は確実に増えた。

ほんま下らない内容を送りあって、おはようとおやすみを言うのがお互いの生活の一部になっとって。

そのくせ俺らは他人なんやから、ほんまに、不思議な関係や。


美「これだけ一緒にいて、よく毎回似たような内容で笑ってられるよね」

尚「ふ(笑)」


少し離れた所で俺らを見とる女性陣2人は俺らのマネさん。
長い事俺らについてくれてる敏腕マネの美和さんは呆れ顔。

その横で小さく笑う尚の耳元に光るピアスは、夏頃に俺があげたやつ。

俺が気持ちを伝えたあの日。
気持ちを伝えて、やけど仲間でやってこうって話したあの日。


いつか彼氏ができたら外してええって言うたのに、しげという彼氏ができた今でもそのピアスは確かに彼女の耳元を華やかに彩っとる。


『それって、脈ありじゃないの？』


そんな事、Aちゃん言うてたなぁ。

あんな、全然ちゃうねん。
ほんまもう、見せてあげたいわ。
尚がしげの事見とる時の、とびきり優しい顔。


俺が好きになった時より、ずっとずっとかわいくなった。
そうさせたんは間違いなくしげな訳で。

ほんで、同じような変化をしげに与えたのは尚で。
運命ってあるんやなぁなんて、俺は思ったり。


そんな2人を近くで見とっても切ない気持ちには、もうならへん。
むしろ心がほっこりあったかくなる。



俺をそうさせたんは何なんやろ。
...誰なん、やろ。



『爪、気になりすぎて買い物が満足にできません』


可愛げの無い文字に添えられた写メには、いつか見せてもらったマーブル模様のネイルチップをつけた細くて綺麗な指が今どきの洒落た飲み物を持っとる所。


神『美味そうな飲みもんやなぁ』


俺があえて爪には触れずにそう送れば、すぐに返事が届いて俺は小さく笑った。


『バカ』






桐「もんちニヤけとる」

中「愛犬か愛猫の写メでも見てんのやろ」

濱「とか言って女の子やったりしてな！？」


兄組のそんな会話には気づきもせんかった。

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