7色の後ろ側《赤》 (ページ38)

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モーニングコール② ページ38

『昨日とりあえず1枚だけ見て、まだお返しするの時間かかるかもしれないんですけど』

望「おん、いつになっても平気やから。
ちなみに何見たん？」

『なにわ侍みました。皆さん若かったです』

望「デビュー当時やしな」

『あと、皆さん歌が上手くて。
それが一番びっくりでした』

望「なんや、アイドルやったら歌下手でも顔よけりゃ売れるとか思ってんのやろー。
俺らのことバカにしてんちゃう？」

ちょっと意地悪いこと言うたろ。

『え！？違いますよ！
でも1つのグループに歌上手い人がこんなたくさんいるのって珍しい気がして』

電話越しで俺の顔見えへんからやろか。
慌てたように返してくる。

確かにWESTは歌上手いメンバーが多い。
俺含めてな！！

望「ちなみに誰が一番歌上手いって思ったん？」

『んー...神山さんですかね』

ちっ、神ちゃんか。
実際上手いから文句も言えへん。

『小瀧さんの歌声も素敵だと思いましたよ』

望「え」

その不意打ちの褒め言葉なんやねん。
照れるやんけ。

『え、自覚ないですか？
小瀧さんて自分の事かっこいいって自覚してるタイプだと思ってました』

望「褒めてんのかけなしてんのかどっちやねん！」

『はは(笑)』

なんや、ちょっと気ぃ良くさせといて落としやがって。

望「なぁ、次いつ俺らの現場くるん？明日？」

『わからないですけど、採用まではないんじゃないんですか？』

望「え！そうなん！？なんで！」

『私現状、他人ですもん』

望「マネージャーになるやん！」

『採用されればですけどね』

望「やけど、さぁ...」

なんでそんな他人行儀なん。
昨日はよろしく言うてたのに、実際はそんな興味なかったん？
楽しみにしての俺だけかい。

『まぁ』

まぁ、なんやねん。

『絶対に受かりますけどね』

「...っは、なんでそない自信満々やねん(笑)」

『自信は正直あんまりないですけど、やる気はありますよ』

昨日のDVDみて俄然やる気でました！
なんて根拠のない事言うて。

やのに、なんでそんな力強く言えんねん。
かっこええやんけ。

『あ、DVD見終わったら美和経由で返しますね。
それじゃ』

「おん、そんじゃね」

後を引くこともなく呆気なく切られた通話。
てか家近そうやし直接返してくれたらええのに。
そしたらまた、会えるやん。

ん？俺今何思うて《速報！愛妻家俳優裏の顔！！》

つけっぱなしにしていたテレビから、ついにあの報道が映し出された。