7色の後ろ側《赤》 (ページ4)

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小瀧さんページ4

「あの、狭いですよね、すみません」

「気ぃつかわんといて下さい。むしろこっちのがご迷惑かけてしもて、すみません。」

き、気まずい....。
ただでさえ遅延の影響で道もの混んでるっていうのに、更にこの微妙な空気感...。

いや、初対面の人同士が車で密室て、そりゃ気まずいか。

向こうも気まずいからか、スマホに目をやったり外を見たりしている。

「あ、のー...私AAって言います。
差し支えなければお名前教えて頂けると...」

バックミラー越しに相手の様子を伺う。
彼はぱっと顔をあげると少し驚いたような表情。

ああ、話しかけるのダメだったかな...。

望「あー...小瀧望っていいます。
あの、失礼なんですけど、美和さんからは今日の事ってなんて言われてはるんですか？」

小瀧さんは見た感じ私よりは若く見える。
敬語を使ってくれてるけど、訛り方が関西弁っぽい。

一体美和とどんな関係なんだろう。
恋人？最後に聞いた時は年上の人に恋してたと思ったんだけど...

「えっと、とりあえず小瀧さんを拾って◯◯ビルに連れてくるように、とだけ。
理由とかは何も聞いてなくて、だいぶ余裕なさそうだったし、私自身特に予定もなかったので迎えに上がった感じです」

望「うそやろ....美和さんさすがにそれはアカンやろ...」

言われたままを伝えると、目を丸くして驚く小瀧さん。
まぁそうだよね、驚くよね。

小瀧さんは頭をガシガシかくと、小さく息を吐いて喋りだした。

望「Aさんの今の反応見てる限り俺らの事知らないんやろうし、それでこんなん言うのも恥ずかしいんやけど....俺、ジャニーズなんです。
ジャニーズWESTってグループなんやけど、知らんよね？」

え、ジャニーズ？
ジャニーズってあの有名アイドル事務所？
ジャニーズWEST....申し訳ないけど知らない...

確かに小瀧さんは背も高くて顔も可愛らしい。
女の子がキャーキャー言いそうな感じだ。
突然ジャニーズって言われても嘘とは思えない。

「申し訳ないです...」

嘘ついてもバレるのは目に見えてるし、正直に伝える。

望「いやいや、全然エエんです！
僕らの認知度なんてまだまだそんなもんやから！」

そう明るく言った彼だけど、見てわかるくらいしゅんとしてる。
あああああ、申し訳ない....。

「小瀧さん、綺麗なお顔されてるしスタイル良さそうなのでモデルさんか何かかなって思っちゃいました」

慌てて言ったフォローだけど彼はその一言でぱぁぁっと表情を明るくした。