7色の後ろ側《赤》 (ページ20)

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愛梨② ページ20

....これ、私なんで皆さんと一緒に聞かされるんだろう。
一番端の席に座りながら気まずくてたまらない。

要はWESTさんのもう1人のマネージャーをやってた愛梨さんが、有名俳優さんと不倫関係という。
絶対重要機密じゃん。私聞いたらダメなやつじゃん。

望「でもこれ、俺らと仕事しとる人なら気付く人、気付くやんな」

中「まぁ、十分ありえるよな」

美「業界方面は、事務所をわかってる以上騒いだりはしないよ。間違いなくこの業界でやっていけなくなるからね」

さらっと凄い事を言う美和。

美「ただ、本来皆を守る立場である私達の失態で、皆さんを危険に晒す様な事態を招いてしまいました。本当に申し訳ありません」

美和はもう一度深く皆さんに頭を下げた。

美「Aもごめんね、急な事で他に代理を立てる事もできなくて今回望の迎えをお願いしたの。
Aがつかまらなかったら、今日の仕事ダメになってた。ありがとう」

私に対しても頭をさげる。
私は何も言えず、ただ首を横に振った。

中「美和、顔上げてや」

神「そやで、美和さんが何かした訳ちゃうやん。
むしろ美和は俺らの為に報告のタイミングとかさ、いろいろ考えてくれたんやろ？」

濱「せや！美和さんが俺らに頭下げる事ちゃうやん！なぁ？」

藤「愛梨が辞めたのもさ、自分の責任やし冷たい事言うけどしゃあないやろ」

重「せやな、俺も本人の責任やと思うわ。
していい事と悪い事、もうわかる歳やし」

ゆっくり顔をあげる美和。

桐「美和、お前が気にすることちゃう。
お前はいつもようやってくれてんで。ありがとうな」

桐山さんが美和に駆け寄り背中を優しくたたいて。
美和は少し目が赤くなってる。

重「うわ！美和さん泣いてんちゃう？
貴重やん！ちょ、誰かムービー撮っとけ！」

濱「まっかせとけぃ！！」

美「重岡。濱田。」

重濱「「すんませんっっっした！！！」」

重い空気が一気に軽くなる。
皆さんの優しさと、ちょっとしたおふざけ。
すごいな、メンバーだけじゃない、美和を含めて皆んな本当に仲がいいんだ。

愛梨さんもきっと大切にされていたんだろう。
自分の失態とはいえ、惜しい事をしてしまったんじゃないだろうか。