7色の後ろ側《赤》 (ページ19)

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愛梨ページ19

side 美和

とりあえず、今日仕事は無事終わった。
メンバーにメイクを落として私服に着替えてもらい、控え室に戻ってもらう。

ただ、ここからが私にとって今日一番の大仕事。

だいたい一番準備の遅い流星が、今日も安定のびりっけつ。
流星が戻ってきたのを確認して、各々過ごしてるメンバーに声をかけた。

美「はい、皆集まって下さい。大事な話があります。」

私が敬語で話す時はだいたい真面目な話。
皆それをもうわかっている。

中央の机に集まってきたメンバー。Aにも空いている椅子に座ってもらうよう促す。
Aは気まずいであろう、申し訳なさそうに空いている椅子に座った。

美「これ、明日出る記事です。」

一枚の記事を机に置く。

皆身を乗り出してその記事を覗き込む。

内容は、ある有名俳優と一般女性の熱愛報道。
ただこの俳優、愛妻家として売り出しているものだから、明日以降この記事がテレビや雑誌やで騒がれるのは間違いない。

中「いやこれ、俺らとなんの関係があんの？」

記事を手に取り内容を確認する淳太。
隣に座っている重岡も覗き込んで確認する。

重「まぁな、不倫はあきませんわなぁ」

桐「ちょ、俺にも見せてや」

中「ん」

淳太から記事を受け取り、今度は両サイドに座っている濱田と望も記事を見る。

望「....あ？ちょ、待って、ちゃんと見して」

望が気づいたようで半ば強引に記事を照史から奪った。

望「これ、この一般女性の方...愛梨やんな」

「「「「...は？」」」」

望「顔わからへんけど、服とかそうやん。
愛梨これ仕事ん時着てんの何回か見てんもん。
そういう事やろ？」

美「そうです。」

濱「いやでもこれ、愛梨知ってる人の中でも一部しかわからんのとちゃう...？」

美「週刊誌は愛梨がWESTのマネージャーという所まで情報を持ってます。
その上で一般女性という表記に変えてます。これがどういう事かわかりますね」

中「...事務所が動いたいうことやんな」

重「うわ、ほんまにそうい事ってあるんや」

美「今君達はとても大事な時期で、たとえ皆には比がない事が明らかでも、世間は悪い方向に物事を考えます。
全て考慮の上、事務所が決断し対応しました。

この事実事態本当にちょっと前に私の耳にも入って。
報告がこのタイミングになって、申し訳ありません」

桐「愛梨今どうなってんの」

美「事務所は退職。実家が東北だからしらばくそっちいるようにと指示してます。」

ことの真相を伝えれば、皆黙り込んでしまった。