7色の後ろ側《赤》 (ページ16)

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撮影④ ページ16

side 神山

望を連れてきてくれた救世主Aちゃん。
美和さんの友達らしいけど、ちょっと地味目な子で意外やった。

美和さんが割とできる女系やから、てっきり同系統かと思ってたし。

こういう場あまり得意じゃなさそうやのに、望のわがままで残って見学する事になって本人相当嫌なんちゃうかなぁって。
ちょっとでも気楽にしてもえたらなぁって。
それで話しかけてみた。

ちゃんと受け答えしてくれるし、ええ子そう。

てか花屋てやばない？女の子の憧れやん！！！
しかもほんま似合う。
こんな感じでエプロンつけてお花に水やってたら...
え。めっちゃかわええやんか。

つい大声でてしもて、しげが絡んできた。

うわ、めっちゃ引いとるし。

大阪やったり、それこそ俺らを知ったら人からしたら別に普通のノリやろけど。
俺らのこと知らん人やったらそりゃ感じるものも違うんやろな。

さっきの大声も嫌やったんやろな....

謝るタイミング探したけど、しげ達の会話が終わらんくて結局言えずに撮影呼ばれてしもた。

照史と濱ちゃんはAちゃんの気持ち察してるようで、やんわり距離とってる。

しげはなぁ、ホンマなんで気づかへんねん！
ある意味さすがやわ。

神「しげ、あんま初対面の人にガツガツいくなって。女の子やしさぁ」

重「あ？そんなんこっちの好きにしたらええんちゃうの？別に好かれたくてご機嫌伺うような相手やないやん」

撮影中こそっとしげに声かけたけど、想定外の返答でびっくりした。
わかった上であの態度やったんか。

しげの言うとこも分からんわけやないけど、
でもなあ、美和さんのお友達やし、望の救世主やし。
仲良くしていきたいって俺は思てまうんやけどなぁ...。

「神山くんもっと笑ってー！」

重「おいこら、ちゃんと仕事せぇ！！」

カメラマンさんに注意されてもた。
あかん、集中集中。
しげはいつもの笑顔で俺の背中にのしかかってきた。

神「おーーもーーたーーいーー！！！」

「お！いいねー！目線こっちね！」

その後の撮影はスムーズに進んだ。