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第五話 「ここはどこ」 ページ6

チュン....チチチ........








『............んっ....っつぅ......』







外から聞こえる小鳥のさえずりに目を覚ます。
だけど意識が戻って来た瞬間、身体中にとてつもない痛みが走った。








いやほんとにびっくりするくらい痛いよ何これ....
それに、てっきりあの時死んじゃったのかと思ったのに何でちゃんと息ができてるんだろう...?








今の状況を把握しようと体を起こそうとするも、痛みでビクともしない。


グッと痛みを堪えながら目線だけで周囲の確認をすると、どうやら自分はどこかの誰かに保護された上、一通り手当てされているようだった。






『傷に包帯が巻かれてる.....それにここは....?』







目の前には壁を覆うほどの大きな薬棚。
その他にも包帯や消毒液なども机の上に置かれていた。








混乱している頭を落ち着かせようとしていると、
急にタッタッと言う廊下を走る音が聞こえて反射的に体が反応し、布団から飛び出る。






部屋の隅まで移動した私は、普段から懐に忍ばせている苦無を手に取ろうとした。







が、







『!?.....ない....って、それもまぁそうか...』








そりゃどこの誰かも分からない人間を武器付きのまま部屋に置くわけないよなぁ...


はぁ、と諦めて溜め息をつくと、それとほぼ同時に目の前の戸が開いた。









「あっ!目を覚まされたんですね...!
もう2日も目を覚まされないので心配していたんです。ちょっと待っててください、すぐに先生を呼んできます!」








そう言ってびゅんと風を切って元来た道を戻って行った茶髪で少し癖っ毛の男の人。
台風みたいな子だな......


でも敵意は無かったし、ここで大人しく待っていても問題は無さそうだ。








......にしてもあの人、どこかで見たような...


あっ!戦場で見たあの心配性の人か.....!!









ちゃんと帰れたんだ、よかった......って、人のこと考えてるバヤイじゃない!






私はこんな所で.....って言ってもまだ場所を把握してる訳じゃないけど!


誰かに恩を着せられるような人間じゃないんだ...!
私みたいな人間を傍に置くとそれこそ厄介な事に巻き込みかねない。









だって私は抜け忍なのだから____

第六話 「火薬の匂いは土井先生」→←第四話 「火薬の匂い」



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春の黒猫(プロフ) - 依利さん» コメントありがとうございます!すごく励みになります...頑張ります^ ^ (2020年10月12日 21時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
依利 - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年10月11日 21時) (レス) id: ed636e8d4e (このIDを非表示/違反報告)
春の黒猫(プロフ) - 菜々さん» コメントありがとうございます。読者様が苗字を設定しない場合、元々の主人公の苗字を設定しておいて欲しいとの事でしょうか...?一応この小説は苗字と名前の設定が可能になっておりまして、あえて苗字を設定していないのですが...(・・;) (2020年10月9日 16時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
菜々 - こんにちは読みたい所ですが設定のとこ少し直した方思います参考なったら嬉しいです例えば→夢崎(名前)。こんな感じです読みづらくすみません (2020年10月8日 16時) (レス) id: ea6e979d26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春の黒猫 | 作成日時:2020年9月22日 16時

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