第四十三話 「必ず守る」 ページ44
＊
「失礼します。」
「おぉ、きたか。利吉。」
「後でそちらに向かうと話したのに....何かあったのですか？」
そう言うと父は「まぁそんなところだ」と、私に背を向け話を続ける。
「彼女の元いた城の城主が、数日ほど前に戦で怪我を負ったらしい。
Aの追跡が遅れたのもそのせいだろう。」
「..........狙うなら今だ、とおっしゃりたいのですね。」
「そう言うことだ。
お前、相当城主を恨んでいるようだったからな。」
はは、と笑いながら言う父に、バレてしまっていたかと少し顔が赤くなる。
私がAに惚れているのも、父にはお見通しと言うことなのだろう。
「それと、彼女から今回の件に関しては一切手を出さないでくれと頼まれてな。
迷惑をかけたくないんだろう。」
「...そんな事だろうと思いましたよ。」
彼女はあまりにも優しすぎる。
大勢の忍びから命を狙われていると言うのに、誰の助けも借りず一人で逃げ切ろうとしているのだ。
いつ殺されるのか分からないこの状況なのに.....
私は膝の上に置いた拳をぐっと握りしめる。
「彼女は私が守ります。」
「あぁ、頼んだぞ。
それに、お前は彼女に仮があるそうだからな。」
「はい。」
そう、私は彼女に仮があった。
それも数年前の事で、特別大事なことでもなかったためか彼女には忘れられてしまっていたけれど...
彼女と初めて出会った時の感情は、未だに忘れられないものだった。
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春の黒猫(プロフ) - 依利さん» コメントありがとうございます！すごく励みになります...頑張ります^ ^ (2020年10月12日 21時) (
レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
依利 - すごく面白いです！更新楽しみにしてます！ (2020年10月11日 21時) (レス) id: ed636e8d4e (このIDを非表示/違反報告)
春の黒猫(プロフ) - 菜々さん» コメントありがとうございます。読者様が苗字を設定しない場合、元々の主人公の苗字を設定しておいて欲しいとの事でしょうか...？一応この小説は苗字と名前の設定が可能になっておりまして、あえて苗字を設定していないのですが...(･･;) (2020年10月9日 16時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
菜々 - こんにちは読みたい所ですが設定のとこ少し直した方思います参考なったら嬉しいです例えば→夢崎（名前）。こんな感じです読みづらくすみません (2020年10月8日 16時) (レス) id: ea6e979d26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春の黒猫 | 作成日時：2020年9月22日 16時
