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第二十一話 「顔見知り?」 ページ22









私に向き直った後、
利吉さんは先程とは違い、真剣な表情に変わる。






「君が元いた忍者隊、ツキヨタケ忍軍が本格的に動き出したそうだ。
君を探すためにね。」


『....!』








私はこの学園に来てから丸2日意識がなく、
昨日と今日を合わせると4日が経つ。



そんなに日が経っているならとっくに見つかって生け捕りにされているんだろうけど、そうなっていないのは何か理由があるはず.......




しかも昨日の夜の学園付近には気配すら感じられなかったし、
仮にもし私がここいると気づいているならその時点で捕まっている....








城主が.....何か考えているのか....?






先を見据えて城を出たものの、城主が何を考えているかわからない今








____ほんの少しだけ、不安感が私を煽った。








冷や汗を流す私を見た彼は、私に近づいて膝をつき優しく話しかける。








「大丈夫だ。相手も君がここにいると気づいていないよ。
学園に来るまでそういった忍びの気配も感じなかった。」







だから大丈夫、と話す利吉さんの目は柔らかく、私の緊張を解いてくれた。

なんだかんだ言って優しい人.....









『厄介なことに巻き込んでしまってごめんなさい.......』



「いいさ。忍術学園同様、私も君に力を貸すつもりだったしね。」







その言葉を聞いて私は驚いた様に目を見開く。

ただでさえ面倒な事態なのに、関係のない彼までもが手を貸してくれるなんて....それこそおかしい話だ。







『ど、どうしてですか?私に借りなんて無いはずですよね.....?』


「.........さぁ、どうだろうね」







意味深な言葉を残した後、私が呼び止める暇も無く、彼は山田先生がいる方へ向かって行った。
先生授業中だけど。









........でも、なんで彼が私に手を貸してくれるんだろう....
もしかして以前どこかで会ったことがあるのだろうか。







『.....んー...思い出せない....』







そもそも忍務以外で城の外に出ることは許されていなかったから、外で会ったことは無いと思うんだけど....
それか忍務中に出会ったことが...?







.........まぁいいや、そのうち思い出すだろう。







私はふぅ、と短い息を吐き、もう一度布団にもぐった。








第二十二話 「秋の夜」→←第二十話 「山田利吉」



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春の黒猫(プロフ) - 依利さん» コメントありがとうございます!すごく励みになります...頑張ります^ ^ (2020年10月12日 21時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
依利 - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年10月11日 21時) (レス) id: ed636e8d4e (このIDを非表示/違反報告)
春の黒猫(プロフ) - 菜々さん» コメントありがとうございます。読者様が苗字を設定しない場合、元々の主人公の苗字を設定しておいて欲しいとの事でしょうか...?一応この小説は苗字と名前の設定が可能になっておりまして、あえて苗字を設定していないのですが...(・・;) (2020年10月9日 16時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
菜々 - こんにちは読みたい所ですが設定のとこ少し直した方思います参考なったら嬉しいです例えば→夢崎(名前)。こんな感じです読みづらくすみません (2020年10月8日 16時) (レス) id: ea6e979d26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春の黒猫 | 作成日時:2020年9月22日 16時

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