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第二十話 「山田利吉」 ページ21










「割ととはなんだ、失礼な。
まぁ確かに顔に自信がある訳でもないから何とも言えないが....」



『...!』








何で私の考えていることがバレてるの....?
もしかしてエスパー...?







心を読み取られた、と驚いている私を見て、
彼は眉を八の字にさせて首を傾げる。






「いや、声に出てたよ.....君ホントにくノ一かい?」


『んなっ、くっ.....くノ一です!
........それはそうと私に何か御用ですか。』







さっきの失態を誤魔化すように話すと、彼はふっと私の方に向き直った。






「以前から君の名前は伺っていたよ、

AAさん。」




『..........私の名前をご存知なんですね。』




「あぁ。今は特に、ね。」






どうやら、ここら辺の忍者たちの中では私が城を抜けたことの話で持ちきりらしい。


いや、なんでそんな噂になってるの?
ちょっと城を抜けて来ただけなのに。





......いやちょっとではないか。

なんならもう帰らないし。





そう思いながら戸にもたれかかっている人物を見ていると、彼をどこかで見たか、もしくは噂で聞いたような気がして記憶を辿る。


そして、醸し出している雰囲気でハッと思い出した。







『.....私もあなたの名前を知らないこともないですよ。』


「へぇ......当てられるかい?」


『山田利吉さん、ですよね。』







名前を出した瞬間、彼は驚いたような顔をして、「まさか本当に当てるとは...」と手で口を覆い目線を外した。





『プロの忍者でしかも売れっ子となると、さすがに耳にも入ってきますよ。』





へらっと笑ってそう言うと、
それもそうかと笑い返す利吉さん。


いや納得するんかい。







.........にしてもその売れっ子忍者がなぜここに居るんだろう。

忍術学園となにか関係が.....






あっ!






『もしかして、山田先生の息子さんですか!?』


「おぉ!そこまで当てるとは!さすがは元小頭だ。」





パチパチと手を叩き、満面の笑みを浮かべている利吉さん。

褒めてるのか貶してるのかどっちなんだこの人は!!
馬鹿にしてるのか!?







『とっ、ともかく!私に何か用事があって来たんじゃないんですか!?』





そう、彼は私が最初に聞いた『何か御用ですか』と言う質問に対してまだ答えていない。

フリーの忍者が私になんの用があるのか全く見当もつかないけれど....





私が再度聞き返すと、そうだったねともう一度私の方に向き直った。





第二十一話 「顔見知り?」→←第十九話 「ツリ目がちな男の人」



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春の黒猫(プロフ) - 依利さん» コメントありがとうございます!すごく励みになります...頑張ります^ ^ (2020年10月12日 21時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
依利 - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年10月11日 21時) (レス) id: ed636e8d4e (このIDを非表示/違反報告)
春の黒猫(プロフ) - 菜々さん» コメントありがとうございます。読者様が苗字を設定しない場合、元々の主人公の苗字を設定しておいて欲しいとの事でしょうか...?一応この小説は苗字と名前の設定が可能になっておりまして、あえて苗字を設定していないのですが...(・・;) (2020年10月9日 16時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
菜々 - こんにちは読みたい所ですが設定のとこ少し直した方思います参考なったら嬉しいです例えば→夢崎(名前)。こんな感じです読みづらくすみません (2020年10月8日 16時) (レス) id: ea6e979d26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春の黒猫 | 作成日時:2020年9月22日 16時

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