第一話 「出会い」 ページ2
伊作side
僕たち6年は組はとある実習でとある城同士の戦を見学しに来ていた。
「いやぁー、今回の戦もすごいね。勢いで流れ弾が飛んできそうだよ。」
そう僕が呟いた瞬間、留三郎の顔スレスレに大砲の流れ弾がヒュンと音を立てて通り過ぎた。
「っぶね!!...な、なぁ、伊作?頼むから冗談抜きでそう言うことを言うのよしてくれないか....?(不運が移っちまう...!)」
「ごっ、ごめんよ留三郎!」
やっぱりどこに居ても、誰と居ても、僕の不運は変わらないなぁ...
実習レポートを書きつつそんなことを考えていると、戦も終わりに近づいてきたのか、
ワーワーと言う叫び声がだんだん小さくなってきていた。
そして兵士が退散していく中、あるものに目が行く。
「え、女の子....?」
「女だぁ?こんな戦場にそんな人間いるわけ....」
留三郎がそんなことを言いながら僕の目線の先に目をやると、
「まさか」と同じように目を見開いた。
そこにいたのは14,5くらいの、自分達と同い年か年下に見える少女がうずくまっていたのだ。
___________終戦と言えどここに長居するのは良くない。
そう思って、見物していた木から降りて足早にその子の方へ向かった。
「あっ!?おい伊作!まだ下に降りると危険だぞ!!」
「すぐ戻るから!」
保険委員会委員長の僕が、怪我をしている人を見て放っておく訳にはいかない。
僕は走って、彼女の5メートルほど手前で声をかけた。
「そこの君!怪我をしたのかい?.....ここに居るのは危ないからこっちに」
こっちにおいで。と言い切る前に自分の耳元で風の切る音とカキンという金属音が鳴る。
足元に目をやるとカランカランと自分の右側の足元に矢と苦無が落ちた。
「え.....?」
恐る恐る後ろを振り向くと、弓を構えた兵士が後ろに倒れ込んだ。
それにいつの間にか額には苦無が刺さっている。
.......矢の向きからして、兵士は自分を狙っているようだった。
忍び装束を着ているので敵側の忍びだと思ったのだろうか。
何にせよ助かった。
ほっと一息付き、留三郎に礼を言おうと顔を上げた瞬間、
僕を助けはずの留三郎が口を開け、驚いた表情をして突っ立っていた。
「留三郎....?」
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春の黒猫(プロフ) - 依利さん» コメントありがとうございます!すごく励みになります...頑張ります^ ^ (2020年10月12日 21時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
依利 - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年10月11日 21時) (レス) id: ed636e8d4e (このIDを非表示/違反報告)
春の黒猫(プロフ) - 菜々さん» コメントありがとうございます。読者様が苗字を設定しない場合、元々の主人公の苗字を設定しておいて欲しいとの事でしょうか...?一応この小説は苗字と名前の設定が可能になっておりまして、あえて苗字を設定していないのですが...(・・;) (2020年10月9日 16時) (レス) id: aee551e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
菜々 - こんにちは読みたい所ですが設定のとこ少し直した方思います参考なったら嬉しいです例えば→夢崎(名前)。こんな感じです読みづらくすみません (2020年10月8日 16時) (レス) id: ea6e979d26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春の黒猫 | 作成日時:2020年9月22日 16時