検索窓
今日:16 hit、昨日:4 hit、合計:5,761 hit

街へ ページ6

『まぁ、なんだ!中間地点まで来たってことで…派手にここで休憩だな』
「…え?でも…」
突然言い渡された“休憩”の言葉に、Aは戸惑いの声を上げた。
『宇随の言うことも最もだ!!』
「っ!?」
後ろから掛けられた溌剌とした声に振り返ると、そこには腰に手を当てた杏寿郎が立っていた。
「杏寿郎さん…」
『よく鍛錬をしていると宇随から聞いている。よく頑張ったな。』
柔らかい声音で言われ、Aは心がじわじわと暖かくなるのを感じた。
「ありがとうございます…あれ?そういえば、杏寿郎さんはどうしてここに?」
Aは首を傾げながら杏寿郎に尋ねる。
『うむ!先程、短期の滞在任務が終わってな…煉獄家へ帰る途中だ!千寿郎に土産を買って帰ろうと思っているのだが、一緒に選んでくれないだろうか!?』
「え!?い…いいんですか??」
杏寿郎からの突然の誘いに戸惑ったAは、天元へと視線を向ける。
『休憩つっただろ!地味に気なんか使わずに行ってこい!』
「はい!」
天元の言葉にAは大きく頷いた。
そのには、先程までの恐怖の色に染ったAは居なかった。


「お待たせしましたー!」
ぱたぱたとAは、杏寿郎の待つ玄関へと駆けて行く。
『待ってなど居ないから、走るんじゃない!』
以前に、駆け寄りつまづき杏寿郎に抱きとめて貰ったことを思い出したAは、恥ずかしそうにゆるゆると早歩きへと変えていった。
『では行こう!』
杏寿郎はそう言うと、歩き始める。
「あれ?そういえば皆さんは?」
『む!?俺と二人では嫌だっただろうか…』
Aが疑問を口にすると、杏寿郎は寂しげに眉尻を下げた。
「え!?あ!ち、違いますよ!杏寿郎さんと一緒に街に行けるの、嬉しいです!」
『そうか!!嬉しいか!!』
その言葉を聞いた杏寿郎は、嬉しいそうに破顔した。
(ん?待てよ…男女二人が街に行くって…デート!?)
つい先日、己の恋心に気づいたAは杏寿郎のことを異性として意識し、顔に熱が集まるのを感じた。


街に着いた杏寿郎は、『これは千寿郎が好きそうだ!!』とか『千寿郎に似合う袴がある!!』とか言いながら、Aを連れ回した。
(い…意識する暇ない)
散々連れ回されたAはくたくたになり、杏寿郎を異性として意識する暇すら無くなっていた。
父に買うお酒を吟味している杏寿郎を待っていると、何かが太陽光に当たりキラリと光った。
その光に引き寄せられるように、Aはそちらへと近寄って行く。

街へ2→←鍛錬3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
39人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

さや(プロフ) - 更新ありがとぉ〜!いつにも増して引き寄せられるのたまらない(´﹃`)のらは状況を説明してくれる文がほんと丁寧だから、アクスタを前に妄想しながら読んじゃったよ(*ˊᗜˋ*)w‪いい萌えをありがとう♡!! (2023年2月27日 1時) (レス) @page37 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa152(プロフ) - さや、コメントありがとう♡やっと再開(´;ω;`)待っててくれてありがとうー!!(*´˘`*)♡ (2022年10月23日 21時) (レス) id: 5021f8e528 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - のらの新話がもう読めた(;//Д//)‼すけこまし扱いされてる煉獄さん助かる(੭ु//́Д/̀/)のら再開ありがとぉ♡♡ (2022年10月23日 21時) (レス) @page29 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - cocoa152さん» 一応お伝えします。鬼滅の妖怪奇談にでているジバニャンやかごめの台詞は、兵庫水軍と犬夜叉異聞路という私の別の作品に在ります。宜しければ其方も是非。まだ完結はまだですが… (2022年4月25日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa152(プロフ) - みこち様、初めまして。コメントありがとうございます✨楽しんで頂けて嬉しいです(*≧▽≦)読みに行かせていただきますね♪ (2022年4月25日 18時) (レス) id: 5021f8e528 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:のら | 作成日時:2022年3月26日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。