騒動2 ページ38
『今のはお前のせいだぞ…っと！』
天元は億劫そうな声とは裏腹に俊敏な動きで門から地面へと降り立つ。
「ぐっ…ぅっ」
急にお腹を圧迫されたことで、Aの口から聞いた事のないような音が漏れた。
先程まで二人が居たその場所が抉られているのを、立ち上がりながら振り向き確認した天元は苦笑を漏らす。
『ほら見ろ。てめぇの攻撃のせいで、大事なもんが苦しがってるぞ』
そう言いながら立ち上がる天元の肩に担がれたAは、苦しそうに噎せていた。
『Aを返せば済む話だ』
そう言いながら杏寿郎は眼前に木刀を構える。
先程、門を抉ったのは木刀を使って杏寿郎が炎の呼吸を繰り出したかららしい。
『地味だねぇ…地味地味だぁ！自分の女が俺の名前を呼んだのが、そんなに気に食わないのかねぇ…』
ふっと鼻で笑いながら天元が言葉を放つと、杏寿郎の握る木刀からミシリと嫌な音がした。
『いやぁぁあ！！！門がぁぁあ！！！』
『大変ですぅぅぅ！！』
『誰かぁああ！！！』
その様子を見ていた、きよ・すみ・なほは思い出したかの様に騒ぎ始める。
『何をしてるんですかぁぁぁああ！！！！』
『お…女の子を肩に担ぐとか…信じられないんだけど！？』
『そいつは俺様の子分だ！！』
三人の声を聞き付けたのか炭治郎・善逸・伊之助が現れ、炭治郎は杏寿郎の横に並び、善逸と伊之助は天元を挟むように立ち三人とも攻撃の体勢を取っている。
「ちょ、ちょっと待ってください！！喧嘩は良くないです！！兎に角、話を聞きましょう！ね？」
噎せていた呼吸が落ち着いたのか、Aは天元の肩に担がれたまま攻撃の体勢を緩めない四人に声をかける。
『はぁ…仕方ねぇなぁ...ほらよっと！』
Aの言葉を聞いて一番最初に緊張を解いたのは天元だった。
面倒臭そうに言うと、肩に担いでいたAを杏寿郎の方へと放る様に降ろしてやる。
『宇隨！！！！！！』
木刀を投げ捨てAを横抱きで受け止めた杏寿郎の怒号が響く。
「杏寿郎さん、私は大丈夫ですから！」
また争いが始まる雰囲気に、咄嗟にAは杏寿郎の首にしがみつく様に腕を回した。
杏寿郎はそんなAを軽く抱き寄せると、そっと地面に降ろしてやる。
一歩後ろに下がりお礼を伝えようとしたAを、杏寿郎は己の傍から離れないように抱き寄せる。
不思議に思いAが見上げれば、怒気の残る瞳で天元を睨みつける杏寿郎が居た。
(大人しくしておこう)
Aは心に決め、そっと杏寿郎に寄り添った。
続く
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さや(プロフ) - 更新ありがとぉ〜！いつにも増して引き寄せられるのたまらない(´﹃｀)のらは状況を説明してくれる文がほんと丁寧だから、アクスタを前に妄想しながら読んじゃったよ(*ˊᗜˋ*)wいい萌えをありがとう♡!! (2023年2月27日 1時) (
レス) @page37 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa152(プロフ) - さや、コメントありがとう♡やっと再開(´；ω；｀)待っててくれてありがとうー！！(*´˘`*)♡ (2022年10月23日 21時) (レス) id: 5021f8e528 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - のらの新話がもう読めた(;//Д//)‼すけこまし扱いされてる煉獄さん助かる(੭ु//́Д/̀/)のら再開ありがとぉ♡♡ (2022年10月23日 21時) (レス) @page29 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - cocoa152さん» 一応お伝えします。鬼滅の妖怪奇談にでているジバニャンやかごめの台詞は、兵庫水軍と犬夜叉異聞路という私の別の作品に在ります。宜しければ其方も是非。まだ完結はまだですが… (2022年4月25日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa152(プロフ) - みこち様、初めまして。コメントありがとうございます✨楽しんで頂けて嬉しいです(*≧▽≦)読みに行かせていただきますね♪ (2022年4月25日 18時) (レス) id: 5021f8e528 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のら | 作成日時：2022年3月26日 11時
