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猗窩座 ページ18

「大丈夫ですか?」
少し息を切らしたAは、炭治郎と杏寿郎に声を掛ける。
『む!?Aか!竈門少年は飲み込みが早い!!』
杏寿郎の言葉にAが小首を傾げると、炭治郎が杏寿郎から呼吸の使い方を教わり、止血が出来たことを教えてくれた。
「そっかぁ……炭治郎くん凄いね!」
『あ、ありがとう……』
不意に褒められたことが恥ずかしかったのか、ほんのりと炭治郎の頬が染まる。

『!!』
ザッ…と音を立て、杏寿郎がAと炭治郎を背に庇うように立つ。
『煉獄さん?』
「杏寿郎さん?」
Aと炭治郎が不思議そうに杏寿郎を見つめていると、杏寿郎の視線の先に土埃が上がる。
『「!?」』
(何?何だろう……よく見えない)
Aは暗闇に浮かぶ輪郭の招待を見極めようと目を細める。
『っ!?』
《上弦の……参?どうして今ここに……》
炭治郎が先に正体に気づき、身体を強ばらせる。
次の瞬間だった。
鬼は一瞬の速さで炭治郎へと、攻撃を仕掛ける。
「っ!?」
『炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天』
(全然……見えなかった……)
Aが驚いている一瞬の内に、攻撃を仕掛けてきた鬼の腕を止めるようにして、杏寿郎が技を出していた。

『良い刀だ……』
そう言うと、嬉々としながら己の血を舐めとる鬼。
(怖い……きっとすごく強いんだ……)
Aは今まで遭遇した数少ない鬼たちと比べ物にならないほど、恐怖心を煽ってくる目の前の鬼に、身体が震えるのを感じた。
『なぜ手負いの者から狙うのか理解できない』
杏寿郎は凛とした立ち姿で、目の前の鬼に問いかける。
『話の邪魔になると思った 俺とお前の』
そう言った鬼は、杏寿郎に“鬼にならないか?”と言い出した。
「なっ!?」
驚きのあまりAが声を出すと、鬼の視線がつい…っとこちらへと注がれる。
『そうか…お前か、あの方が探しているのは』
Aの身体が強ばると同時に、杏寿郎は己の背にAを隠す様に立ち塞がる。
『彼女は関係ない。それに俺は鬼にはならない。』
『見ればわかる……お前、柱だな?至高の域に近い』
『俺は炎柱 煉獄杏寿郎』
『俺は猗窩座。その女はどちらでもいい……だが杏寿郎、鬼にならないのならお前を殺す』
「っ!?」
猗窩座のその一言にAは更に身体を強ばらせ、己を守ろうとする逞しい背中に視線を投げかけた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎
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さや(プロフ) - 更新ありがとぉ〜!いつにも増して引き寄せられるのたまらない(´﹃`)のらは状況を説明してくれる文がほんと丁寧だから、アクスタを前に妄想しながら読んじゃったよ(*ˊᗜˋ*)w‪いい萌えをありがとう♡!! (2023年2月27日 1時) (レス) @page37 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa152(プロフ) - さや、コメントありがとう♡やっと再開(´;ω;`)待っててくれてありがとうー!!(*´˘`*)♡ (2022年10月23日 21時) (レス) id: 5021f8e528 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - のらの新話がもう読めた(;//Д//)‼すけこまし扱いされてる煉獄さん助かる(੭ु//́Д/̀/)のら再開ありがとぉ♡♡ (2022年10月23日 21時) (レス) @page29 id: 7025e10926 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - cocoa152さん» 一応お伝えします。鬼滅の妖怪奇談にでているジバニャンやかごめの台詞は、兵庫水軍と犬夜叉異聞路という私の別の作品に在ります。宜しければ其方も是非。まだ完結はまだですが… (2022年4月25日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa152(プロフ) - みこち様、初めまして。コメントありがとうございます✨楽しんで頂けて嬉しいです(*≧▽≦)読みに行かせていただきますね♪ (2022年4月25日 18時) (レス) id: 5021f8e528 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のら | 作成日時:2022年3月26日 11時

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