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中学生を大量に殺した実行犯になるか、命令違反がバレる事でプロとしての評価を落とすか。どちらが自分たちの今後にリスクが高いか、冷静に秤にかけたそうだ。
「ま、そんなワケでおまえらは残念ながら誰も死なねぇ」
そう言ってスモッグは栄養剤を投げ渡した。「倒れる前より元気になった」と感謝の手紙が届くほど効果がある薬らしい。アフターケアも万全である。
しかし、信用するかは生徒達が回復したのを見てから。事情も聞くし、しばらく拘束させてもらうことになった。
「…なーんだ。リベンジマッチやらないんだ、おじさんぬ。俺の事殺したいほど恨んでないの？」
「殺したいのはやまやまだが、俺は私怨で人を殺した事は無いぬ。誰かがお前を殺す依頼をよこす日を待つ。だから狙われる位の人物になるぬ」
そう言う事で、本気で殺しに来て欲しければ偉くなれと、3人はヘリコプターに乗って去っていった。
「………なんて言うか、あの3人には勝ったのに買った気しないね」
「言い回しがずるいんだよ。まるで俺等があやされてたみたいな感じでまとめやがった」
「………年季が違うなぁ…」
こうして生徒達の大規模な潜入ミッションは、ホテル側こ誰一人気づかないまま完了した。
皆の待つホテルに戻って、もう大丈夫な事を伝える。
「……ちゃん、佳奈ちゃん」
『んっ…』
隣にいた有希子に起こされて、佳奈も目を覚ました。自分達は死なない事、もう大丈夫な事を伝えられ安堵してまた涙が溢れた。
「泣き虫だよな、重森は」
『だって…だってぇ』
「ハハハ、はいはい、よしよし」
それぞれがそれぞれの疲れで泥のように眠って、起きたのは次の日の夕方だった。
「おはよー。元気になった？」
「おかげさまで。やっぱ皆ジャージなのね」
「他に客誰もいないし、これが楽だわ」
「全員分の私服2日分考えんのエグすぎるしね」
「不破さん？」
高熱でうなされていた皆も回復し、皆海の様子を見ていた。
殺せんせーが完全防御形態から戻った時殺せるように、周りをコンクリートで固めているのが見てわかる。烏間が不眠不休で指揮をとっていた。
「…すげーよな。あと十年で俺等あんな超人になれんのかな」
「さーな」
「ビッチ先生もああ見えてすごい人だし」
烏間とイリーナをすごいと思うように、ホテルで会った殺し屋もすごいと感じていた。
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作者名：野乃梅 | 作成日時：2023年7月30日 0時
