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殺し屋は戦闘をする職業ではない。戦闘に
「あぐッ」
「おらどうした？殺すんじゃなかったのか」
今の鷹岡は前とは別物。最初から完全に戦闘モードに入っている。心が狂気で満たされても精鋭軍人。いかなる奇襲も通じないほど隙がない。
「勝負にならない…」
「勝てるわけねーよ、あんな化物」
ナイフを向ければ払われ、近づけば殴られるの繰り返し。一方的に痛ぶられる渚を見ていられない生徒も出てきている。
「へばるなよ。今までのは序の口だ。さぁて、そろそろ俺もこいつを使うか」
「……！！」
「手足切り落として標本にしてやる。ずっと手元に置いて愛でてやるよ」
とうとうナイフを取り出した鷹岡に対しもう撃ってくれと烏間に頼む茅野。
「待て…手出しすんじゃねー」
「まだ放っとけって寺坂？そろそろ俺も参戦したいんだけど」
「カルマ、テメーは練習サボってばっかで知らねぇだろうがよ」
渚はまだ隠し玉を持っているようだと寺坂は言った。
南の島に来る前にロヴロが指導でE組に教えて来た日のこと。ロヴロは渚に必殺技を教えていた。
1つ目に、武器を２本持っている事。2つ目に、敵が手練れである事。そして3つ、敵が殺される恐怖を知っている事。教えてもらった必殺技を実践する条件は既に揃っていた。
「渚…笑って歩いていく…」
「これって前と同じ…」
「…いや、どこか違う」
必殺技と言っても、「必ず殺す技」ではない。
そもそも訓練を受けた暗殺者なら理想的な状況なら「必ず殺す」のは当たり前。しかし、現実はそううまくは運ばない。特に
戦闘の常識から外れた行動を取る事で場を再び「戦闘」から「暗殺」へ引き戻すのが、その必殺技である。
「くっそガキィ〜…」
笑って近づいてくる渚に警戒する鷹岡。
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作者名：野乃梅 | 作成日時：2023年7月30日 0時
