三日月とフラワー(4)【暗殺教室】 (ページ47)

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「来たぞ！！どーする磯貝！！」

「よし出るぞ攻撃部隊！！作戦は"粘液"！！」

『(次は粘液…)』

さっきから磯貝君の口から出てくる独特な作戦名が殺せんせーの特徴と一致している事に今気づいて私は手をポンと叩く。

E組の攻撃部隊は6名。温存部隊の間を走ってA組の棒に近付くけど、それを見たA組が黙って見ているはずもなく、温存部隊は防御に戻ってきた。

「こちらはどうする。彼等が負傷するのは防衛省としても避けたいぞ」

「ヌルフフ、大丈夫ですよ。社会科の勉強がてら助言しました」

『？？』

殺せんせーは磯貝君に勉強を教える時に何か教えていたみたい。
そしてA組に囲まれたE組の攻撃部隊はどこに逃げたかというと…

「なんで全員こっち来んの！？」

場外なんてルールに無い。E組攻撃部隊は客席に逃げ込み、A組はそれを追っているから解除は大パニック状態だった。
A組に捕まるのをかわして、椅子と客を器用に使って逃げ回った。
だけど、全校生徒の目は変わり始めていた。「こんどのE組はどんな手で勝つ気なのか」という興味の視線に。

「橋爪！！田中！！横川！！深追いせず守備に戻れ！！混戦の中から飛び出す奴を警戒するんだ！！磯貝・木村・赤羽の3人は特に注意だ！！その位置で見張っていろ！！」

「親ゆずりですねぇ浅野君は。敵味方の顔と能力、そして戦況をよく把握してる」

この棒倒しが異形になるのも想定しているからその指示が出せるのかと、やっぱり浅野君はすごい人だと思う。

すると、序盤で吹っ飛ばされた村松君と吉田君が飛び出して、A組の棒にガッチリ捕まった。

「逃げるのは終わりだ！！全員"音速"！！！！」

「「よっしゃア！！」」

A組の守りが手薄な時、そしてA組が2人の奇襲に動揺する間に一斉に走り寄って、懐に入った。
棒に捕まった杉野君を降ろそうと留学生の1人が引っ張るけど、棒も激しく揺れ始めて浅野君がやめろと指示していた。
すると、帽子を脱いだ浅野君は吉田君と岡島君を簡単に地面に落としてしまった。
勉強だけではなく、武道の心得まであるらしい。

『(プ、プチデビル…！！)』

人を見下す浅野君は遠目で見たら悪魔の羽が生えてるみたいだった。漂うラスボス感はやっぱり理事長先生の息子なんだなと納得せざるおえない。

「…やばい。詰みかけてる」

E組は防御するのに一杯で、棒を倒すどころじゃなくなっていた。