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「この前祭りで釣った金魚食わせてくれたんだけど、あいつの金魚料理メチャ美味いし」
「(イケメンだ！！)」
「あと、あいつがトイレ使った後よ、紙が三角にたたんであった」
「「(イケメンだ！！)」」
「あ、紙なら俺もたたんでるぜ、三角に」
「「(汚らわしい！！)」」
『……』
磯貝君か岡島君が同じ行動をしても、普段の行いで皆の反応は変わるものなんだなとカエデちゃんとメグちゃんを見て思う。
「見ろよ、あの天性のマダムキラーぶり」
「「(イケメンだ！！)」」
「あ…僕もよく近所のおばちゃんにおもちゃにされる」
「「(シャンとせい！！)」」
「未だにな、本校舎の女子からラブレターもらってるしよ」
「「(イケメンだ！！)」」
『……』
「あ…私もまだもらうなぁ」
「「(イケない恋だ！！)」」
本校舎の女子からラブレター…前原君が言ったその事実に思わず口に運ぼうとしていた手が止まってしまった。
そうだよね、やっぱり人気あるよね磯貝君…
誰か付き合ってる女の子とかいるのかなとか、好きな子がいるのかなとかぐるぐる考え始めた瞬間だった。
「イケメンにしか似合わない事があるんですよ、磯貝君や…先生にしか」
「「(イケメ…何だ貴様！？)」」
声の主の方を見てみれば変装した殺せんせー。
殺せんせーってイケメンなのかな…
「ここのハニートーストが絶品でねぇ。これに免じて磯貝君のバイトには目を瞑ってます。でも皆さん、彼がいくらイケメンでもさほど腹は立たないでしょ」
「「「え？…ああ、うん」」」
それはどうしてかって聞かれたら…
「だって、単純にいい奴だもんあいつ」
前原君のその言葉に私達は首を縦に振る。
皆を引っ張るクラスのリーダーで、控えめな私にもすごく話しかけてくれる優しい人。そんな人に腹を立てることなんて想像できないもん。
「情報通りバイトをしてる生徒がいるぞ」
「いーけないんだなぁ〜磯貝君」
『「「！！！！」」』
そんな時、お店に入ってきたのは五英傑。相変わらず嫌な笑みを浮かべていて嫌な感じだ。
「これで二度目の重大校則違反。見損なったよ、磯貝君」
浅野君の登場に、私達も思わず顔を青ざめた。
「ちょっとアンタ等、ゆーまちゃんに何の用…」
「失礼。その美貌を憤怒の色で染めたくない。学校内の話ですので店の外で話します」
「…え、ええ」
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作者名：野乃梅 | 作成日時：2023年7月30日 0時
