25-1 黒幕の正体(ここからNO SIDE) ページ3
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ホテルの最上階まで登り、黒幕の正体を知ることとなった生徒達は思わず言葉を詰まらせた。
「仕方ない。夏休みの補修をしてやろう」
前に烏間の補助としてE組に赴任して来たこの男・鷹岡明は、狂気と憎悪が刻み込まれた顔面でグシャリと笑う。
その顔を見て思い出されるのはクラスメイトの苦痛の記憶。
皆ご屋上まで案内されて、鷹岡の手には起爆装置のついたスーツケース。おそらくそのケースに入っているのがウイルスの治療薬だ。
「気でも違ったか鷹岡。防衛省から盗んだ金で殺し屋を雇い、生徒達をウイルスで脅すこの凶行…！！」
「おいおい、俺は至極まともだぜ！これは地球が救える計画なんだ」
計画では対先生弾がたっぷり入っている部屋のバスタブに賞金クビである殺せんせーを抱いて茅野に入ってもらい、その上からセメントで生き埋めにする予定だったらしい。対先生弾に触れずに元の姿に戻るには生徒ごと爆裂しなければならない寸法だった。
「生徒思いの殺せんせーは…そんな酷い事しないだろ？おとなしく溶かされてくれると思ってな」
それを聞いて生徒達は鷹岡を悪魔のようだと顔を青くして後ずさる。
「許されると思いますか？そんな真似が」
「……これでも人道的な方さ」
鷹岡はE組を追い出されたことを根に持っていた。
中学生に勝負で負けて任務に失敗したという事実は職場でも噂となり、教育だったら自分に任せろと豪語していたのにその様で上からの評価も下がった。
「屈辱の目線と騙し討ちで突きつけられたナイフが頭ン中チラつく度にかゆくなって、夜も眠れなくてよォ！！落とした評価は結果で返す。受けた屈辱はそれ以上の屈辱で返す。特に潮田渚、俺の未来を汚したおまえは絶対に許さん！！」
向けられた狂気に渚の顔は更に青くなった。
背の低い生徒を要求したのは渚を狙っていたから。つまり渚は鷹岡の逆恨みで呼び出されたわけである。
「その体格差で本気で買って嬉しいわけ？俺ならもーちょっも楽しませてやれるけど？」
「イカれやがって。テメーが作ったルールの中で渚に負けただろーが。言っとくけどな、あの時テメーが勝ってよーが負けてよーが、俺等テメーの事大ッ嫌いだからよ」
「ジャリ共の意見なんて聞いてねェ！！俺の指先でジャリが半分減るって事忘れんな！！」
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作者名：野乃梅 | 作成日時：2023年7月30日 0時
