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冷静になる人もいればまだまだ怒りが収まらない人もいて、今日の放課後に竹林君に会いに行こうと決まった。
▽ ▽ ▽
本校舎の生徒と別れた竹林君に私達は声をかけた。
「説明してもらおうか。何で一言の相談も無いんだ、竹林？」
「何か事情があるんですよね？夏休み旅行でも竹林君いてくれてすごく助かったし！！普段も一緒に楽しく過ごしてきたじゃないですか！！」
「ほとんどメイドじゃねーか」
修学旅行で竹林君にはすごくお世話になったし、黒板でメイドの書き方を教えてくれたこともあった。
あまり目立つような人ではないけれど、私は竹林君が本当に私達のことを嫌っているようには見えない。
「賞金百億。殺りようによっちゃもっと上乗せされるらしいよ。分け前いらないんだ、竹林。無欲だね〜」
「…………………せいぜい十億円」
自分単独で百億円を手に入れるのは絶対に無理で、上手いこと集団で殺す手伝いができたとして自分の力で担える役割では分け前は十億円がいいところだと彼は言った。
「僕の家はね、代々病院を経営している。兄2人もそろって東大医学部。十億って金はうちの家族には働いて稼げる額なんだ」
「出来て当たりまえ」の家。出来ない自分は家族として扱われない。
「僕が十億手にしたとして…家族が僕を認めるなんてありえないね」
大金を手にしたって「良かったな」や「家1番の出来損ないがラッキーで人生救われて(笑)」と言われるだけ。
それを聞いて私達は押し黙る。
「昨日、初めて親に成績の報告ができたよ」
トップクラスの成績を取ってE組から脱けられる事を伝えれば、「頑張ったじゃないか。首の皮一枚つながったな」と返されたと言う。
「
裏切りも恩知らずもわかってる。君達の暗殺が上手くいく事を祈ってるよ」
私達のうち何人かには「呪い」がかけられている。その呪いに竹林君が殺されていくように感じた。
渚君もそう感じたからか竹林君を引き止めようとしたけど、有希子ちゃんに止められた。
「親の鎖って…すごく痛い場所に巻きついてきて離れないの。だから…無理に引っ張るのはやめてあげて」
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作者名：野乃梅 | 作成日時：2023年7月30日 0時
