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「あとさ、このコの呼び方決めない？"自律思考固定砲台"っていくらなんでも」
「だよね」
「………そうさなぁ」
「何か1文字とって…」
「自…律…」
「そうだ、じゃあ"律"で！！」
「安直〜」
「おまえはそれでいい？」
〈…嬉しいです！！では"律"とお呼び下さい！！〉
クラスメイトに囲まれて楽しそうに笑っている律ちゃん。
でも寺坂君の言う通りで、殺せんせーのプログラム通り動いているだけだから機械自体に意思があるわけではないのかもしれない。
律ちゃんがこの先どうするかは、律ちゃんを作った
明日になったら今皆の真ん中にいる律ちゃんがいなくなってしまうのではないかと、この時私は少し不安だった。
▽ ▽ ▽
『「「(………元に戻っちゃった)」」』
不安は当たってしまい、律ちゃんは転校初日の時のように戻ってしまっていた。
"生徒に危害を加えない"という契約だけど、「今後は改良行為も危害と見なす」と開発者が言ってきたらしい。律ちゃんをテープで縛って壊れでもしたら賠償を請求すると私達も注意された。
「
そうして今日も殺せんせーとの授業が始まる。
〈………攻撃準備を始めます。どうぞ授業に入って下さい、殺せんせー〉
またあの時のような一日中続く攻撃が始まると身構えたその時だった。
『！』
黒い個体から出てきたのは銃ではなく花束。
〈………花を作る約束をしていました〉
殺せんせーが律ちゃんに施した改良のほとんどは開発者が「暗殺に不要」と判断し、削除・撤去・初期化してしまったけど、律ちゃん個人は「協調能力」が暗殺に不可欠な要素と判断して消される前に関連ソフトをメモリの隅に隠したそうで。
「………素晴らしい。つまり"律"さん、あなたは」
〈はい。私の意思で、
昨日の楽しそうな笑顔に戻った律ちゃんにホッとした。せっかくこのE組に転校してきたのだから、これから一緒の教室で学ぶ友達としても仲良くしたかった。
〈殺せんせー、こう言った行動を"反抗期"と言うのですよね。"律"は悪い子でしょうか？〉
「とんでもない。中学三年生らしくて大いに結構です」
こうしてE組の仲間がひとり増えた。これからこの27人で殺せんせーを殺します。
．
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作者名：野乃梅 | 作成日時：2023年4月2日 22時
