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「父親を押し付ける鷹岡先生より、プロに徹する烏間先生の方が僕はあったかく感じます。
本気で僕等を強くしようとしてくれたのは感謝してます。でもごめんなさい。出て行って下さい」
鷹岡さんに向かって頭を下げた渚君。
渚君が鷹岡さんに言った言葉達は皆私達の本心だ。
「じゃ私はあんたらのなんなのよ」
「僕等のビッチです」
た、竹林君…ブレないね君は…
「黙っ…て聞いてりゃガキの分際で…大人になんて口を…」
さらに顔の血管が浮かび上がった鷹岡さんは渚君に襲い掛かろうとしたけど、烏間先生が助けに入り、鷹岡さんはまた地面とよろしくしていた。
「……俺の身内が…迷惑かけてすまなかった。
後の事は心配するな。俺1人で君達の教官を務められるよう上と交渉する。いざとなれば銃で脅してでも許可をもらうさ」
『「「烏間先生！！」」』
国を脅してでも私たちの教官を続けてくれると言う烏間先生に、思わずホッとした。
「くっ…やらせるかそんな事、俺が先にかけあって…」
「交渉の必要はありません」
振り返ってみれば、理事長先生が校舎の方から歩いてきていた。
「………ご用は？」
「経営者として様子を見に来てみました。新任の先生の手腕に興味があったのでね」
突然の理事長先生の来訪に息をゴクリと呑んだ。
まさか鷹岡さんの教官の続投を命じたりするんじゃ…
「でもね、鷹岡先生。あなたの授業はつまらなかった。
教育に恐怖は必要です。一流の教育者は恐怖を巧みに使いこなす。が、暴力でしか恐怖を与える事ができないなら…その教師は三流以下だ。
自分より強い暴力に負けた時点で、
そう言って理事長先生がサラサラと何か書き始め、その紙を鷹岡さんの口に突っ込んだ。
渚君をヘビと例えるなら、この人はなんだかムカデみたいだな…
「解雇通知です。以後、あなたはここで教える事は出来ない。
口に突っ込まれた解雇通知をグシャグシャと食べた鷹岡さんは、ここを後にする理事長先生を追い抜いて出て行った。
「鷹岡クビ…」
「ってことは、今まで通り烏間先生が」
「「「よっしゃあ！！！！」」」
「理事長もたまには良い事するじゃんよ」
「う…うん、あっちの方がよっぽど怖いけどね」
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作者名：野乃梅 | 作成日時：2023年4月2日 22時
