三日月とフラワー(2)【暗殺教室】 (ページ36)

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「これ「ラ・ヘルメス」のエクレアじゃん！！」

「こっちは「モンチチ」のロールケーキ！！」

「いいんですか、こんな高いの？」

「おう、食え食え！俺の財布を食うつもりで遠慮なくな！！
モノで釣ってるなんて思わないでくれよ。おまえらと早く仲良くなりたいんだ。それには…皆で囲んでメシ食うのが一番だろ！」

広げられたスイーツを見て涎を垂らす殺せんせーにも人当たりよく接している鷹岡さん。
烏間先生とはまた違う元気な人だとは思うけど…

「同僚なのに烏間先生とずいぶん違うスね」

「なんか近所の父ちゃんみたいですよ」

「ははは、いいじゃねーか父ちゃんで。同じ教室にいるからには…俺達家族みたいなもんだろ？」

「佳奈ちゃん…」

『？有希子ちゃん…』

有希子ちゃんと私はその場から離れた場所で鷹岡さんと皆が楽しそうに飲み食いする様子を眺めていた。
私達はなんとなく、あの場に近づいていきたいとは思えなかった。

「体育の授業は烏間先生にみてもらいたいよね…」

『うん…』

わざとらしい。
胡散臭い。
今思えば、鷹岡さんに対して私達が感じていたのは、この人には近づいてはいけないという防衛反応だったのだ。

▽ ▽ ▽

「…よーし、みんな集まったな！では今日から新しい体育を始めよう！ちょっと厳しくなると思うが…終わったら、またウマいモン食わしてやるからな！」

「そんな事言って、自分が食いたいだけじゃないの？」

「まーな、おかげ様でこの横幅だ」

結局私と有希子ちゃんは、鷹岡さんが担当になるこの体育の時間に参加していた。
本当の事を言えば、この授業を出ることに気が引けた。
でも、皆新しい先生と楽しそうに話しているのを見たら、自分達の感じている鷹岡先生への違和感は気のせいなのではないかって思ってしまったから…

「さて！訓練内容の一新に伴ってE組の時間割も変更になった。これを皆に回してくれ」

「……？時間割？」

回ってきた時間割の内容を見て、皆は思わず絶句する。

「……うそ…でしょ？」

「10時間目…」

「夜9時まで…」

「このぐらいは当然さ。理事長にも話して承諾してもらった。"地球の危機ならしょうがない"と言ってたぜ。
この時間割(カリキュラム)についてこれればおまえらの能力は飛躍的に上がる。では早速…」

「ちょっ…待ってくれよ、無理だぜこんなの！！」

「ん？」