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これ、イリーナ先生起きたらすごく怒ったりしないよね…？
「おお〜〜さすが菅谷！」
「そもそもファッションアートだしな。外に出て楽しい感じに仕上げてやったぜ」
「これなら逆にビッチ先生喜ぶんじゃない？」
「ねーー」
菅谷君が描いたのはハートがついたなんとも芸術的なアート。可愛らしいデザインである。
「ヌルフフフ、先生も負けてはいませんよ。右側を見てごらんなさい」
そう芸術家のような服に着替えた殺せんせーが言うので、どんなのが描けたのかワクワクしながら見てみたけど…
『「「(なぜにマンガ！？)」」』
「いやぁ…アートとかファッションは苦手なので得意な分野で」
「逃げに走るくらいなら描くな！！」
殺せんせーが描いたマンガはたこ焼き職人とタコが会話しているというもの。
でもなんというか…右と左で違和感ありすぎである。
「ビッチ先生もう外歩けねーぞ」
「いや…あえて漫画をポップアート的な図柄として活かす手もあるぜ枠の周囲をいじって…」
「「「おおおおお！！」」」
「いや…あまりにキレイに収まりすぎると気障ったらしい。どこか一か所は笑を取らなくては」
「なんでそこで張り合うの？」
いや、これ以上増やしたらマズいんじゃ…
「それ見た事か！！」
次は顔に描かれてしまったイリーナ先生。ヒゲと丸眼鏡、そして額に「中肉中背」と書かれている。なんか…キン肉マンみたいな感じ…？
「いや…ヒゲはまだしも丸メガネが野暮ったい。フレームをデザインして…」
「いや…むしろこの塗料描きずらいです。マジックとダンボールで…」
結局こんなやり取りが長く続き、終わった頃にはイリーナ先生の身体中がアートだらけになっていた。どうしてか頭にはダンボールで作った兜も被せられている。
「……収拾つかなくなってきたな」
「どうすんだ？一週間は落ちねーんだろ、これ」
「一応落とさない事ぁ無いけど、めんどいな」
「ま…まあひょっとしたら気に入るかもしれませんし…」
すると、パチっと目を覚ましたイリーナ先生は静かに起き上がって現状を確認し始め、教室を出て行った。
前原君が小窓から廊下をそっと覗いてみると、イリーナ先生はズズズと鬼の血相で戻ってきたのだ。
「激しくお気に召さなかった！！あの銃本物だぞ！！」
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作者名：野乃梅 | 作成日時：2023年4月2日 22時
