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ボールに紛れた殺せんせーからの指示を仰ぐも打つ手なしと伝えられ、あっという間に3アウトになってしまった。
『……』
ベンチに戻って行く進藤君を見て思い返す。
あの日の進藤君からの告白はごめんなさいとお断りした。
私は進藤君と話した事がないから全然知らないし、何より、E組を差別する人とそういう関係にはなりたくなかったから。
《二回の表！！相変わらずこの鉄壁のバントシフト！！》
E組の攻撃は赤羽君から。審判の先生が打席に入るよう促すも、赤羽君は入らなかった。
「ねーえ、これズルくない理事長センセー？
こんだけジャマな位置で守ってんのにさ、審判の先生何にも注意しないの。
あーーそっかぁ、おまえ等バカだから守備位置とか理解してないんだね」
赤羽君が全校生徒を挑発してブーイングを起こさせる。
なんで皆が怒るような発言を…でも、これってもしかして、殺せんせーが提案した作戦なのだろうか。
《二回の表、E組はなす術なく3アウト！！》
《そして二回のウラ！！絶好調の進藤君が打撃でも火を吹く！！E組はマズい守備で長打を許す！！》
「ゴメン杉野〜」
「いーっていーって、バントしか練習してねーんだから」
《この回集中打で2点を返して3対2！！いよいよE組を追いつめたぞ！！》
試合は続き、三回表のE組は三者凡退。試合は3回までと決められているから、後は野球部からの攻撃をどう防ぐかだ。
《あーっとバント！？今度はE組が地獄を見る番だ！！》
E組が先制した3点はどうやらバントでとっていたらしく、今は野球部からのバントで既に満塁になってしまっている。
《ここで迎えるバッターは…我が校が誇るスーパースター進藤君だ！！》
「踏み潰してやる…杉野！！」
「……！！」
《もとは同じ野球部で競い合った2人れ！しかし杉野はE組に落ち部活も追放！！
明らかに違う進藤君の雰囲気に息を呑む。さっき理事長先生がベンチで進藤君に何か言い聞かせていたからかちょっと怖い。
『！！』
《！！こっ…この全身守備は！！》
「明らかにバッターの集中を乱す位置で守ってるけど、さっきそっちがやったときは審判は何も言わなかった。文句無いよね、理事長？」
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作者名：野乃梅 | 作成日時：2023年4月2日 22時
