【ヒプノシスマイク】レモネードとクリームソーダ【白膠木簓】 (ページ43)

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「どうしたんですか？」

俺の顔を覗き込もうとするAちゃんに、少し逃げようとしてしまう。

すると、はいっ、と目の前にはさっき見たチケットが出てきた。

「これ、簓さんにずっと渡そうって思ってたんですけど…簓さんお仕事忙しいと負担になるかと思って。でもお休み長いみたいですし、二郎たちのこともひと段落したので渡したくて」

思わず、ぶわっと涙があふれる。

「ほんまあ……？俺だけ貰ってへん、おもて…いいの？ほんまに？」

「はい！もちろんです。って、泣かないで」

ティッシュティッシュ、と持ってきた箱ティッシュから取り出した1枚を差し出してくれた。

「あのですね、実は、よかったらなんですけど…」

差し出されていたチケットがパラっと3枚に分かれた。

「？俺、3人もおらへん…ズビッ」

「あはは、違いますよ。実は、空却や左馬刻さんたちも呼んでて、ディビジョンの代表チームって3人じゃないですか。だからみんなに3枚ずつ渡しているんです。来れたらきて欲しいと思って」

ってことは、盧生や零の分も用意してくれてるってことか…。

「もちろん、都合がつかない人もいると思いますから、そこは無理せず…と伝えているんですけど…」

「ほんま、おおきに…！俺もチームの奴らに声かけてみるわ…！」

「はいっ！ぜひ！みなさん普段はペンライト振られる側だと思うので、よかったら振ってみてくださいね」

そう言うと、スチャっと構えていたかのように一郎と二郎がペンライトを構えた。
なんでやねん！あの大荷物の中身はこれかいな！！

嬉しそうに微笑むAちゃんを見て、アイドルとしてステージに立つAちゃんはどれだけ可愛いのだろうと思う。

滅多に見せない笑顔がたくさん見られるだろうか。

そんなことを考えながら、急いで盧生と零にメッセージを送ると、すぐに返信が返ってきた。

盧生は、ちょうど空いているらしい。零は、チケットだけもらう、と連絡が来た。来るかどうかは微妙らしい。

それを伝えると、Aちゃんは嬉しそうにまた微笑んだ。

「本当ですかっ？嬉しいです。急なお誘いになってしまったのに…」

「コンサートは人がおればおるだけ盛り上がるやろ！俺も行ったるからパフォーマンスがんばってなあ〜」

そういうと、ふと照れ臭そうにAちゃんが笑う。
どこかホッとしたような表情で。