おかあさんではありません！【浦.島.坂.田.船】

出発！ ページ5

「忘れ物ないですか？行きますよ！」

予定の時間より1時間以上遅れての出発になってしまった。
念のため集合時間を早めにしておいて本当に良かった...。

「あ、ねーA俺コンビニ寄りたい！メロンパン食べたい」
「べつにええやろ」
「志麻はええかもしれんけど俺お腹空いた」
「いちばん最後に起きてきたくせによく腹減るな。感心するわ」

もう結構時間もギリギリだからコンビニなんて寄っていられない。
だけど、こういうこともあろうかと、

「坂田さん、後ろにある私のカバンの中にパンと飲み物あるんでそれ食べててください」
「え、ほんまや！」
「Aちゃん、用意いいなぁ。センラ感心したわ」

坂田さんのコンビニコールは今に始まったことじゃない。
最初は言われた通りに寄っていたけど、この人は買い物も長いのだ。
なかなか決められず、その間に興味なかった他の人たちもあれが欲しいこれが欲しいと買い始めてしまうので収拾がつかない。
おかげで初めの頃は泣きながら車を飛ばしていた。

「あと10分で着くのでそれまでに食べてくださいよ！」
「頑張る」
「あ、坂田、コーヒー取って」
「うらさん自分で取ってや。俺食べるのに忙しいねん」
「ほい、うらさん」
「お、サンキュー志麻」
「いえいえ、センラさんは？」
「俺もコーヒーがええな。あとパンもなにか取って」


(私、まだ朝ごはん食べてないのに！)

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